明石の君のこともお忘れではない。とはいえあれこれとお忙しく、手紙のやりとりは途絶えていた。
三月になると、
<もうすぐ生まれるのではないだろうか>
と、こっそり使者を明石へお出しになる。使者はすぐに戻ってきて、
「十六日に姫君がお生まれになりました。ご安産でございます」
と報告した。
<初めての女の子だ>
源氏の君はうれしい一方で、
<どうして都に迎えて出産させなかったのだろう>
と後悔なさる。
というのも、実は以前、源氏の君は占い師にこんなことを言われたことがある。
「あなた様のお子は三人お生まれになります。ひとりは帝、ひとりは中宮におなりになります。残りのひとりは、そのふたりに比べればご身分は劣りますが、太政大臣におなりになるでしょう」
源氏の君はお子をひとりひとり考えていかれる。
<入道の宮との間に生まれた皇子は先月帝におなりになった。舅大臣家で育てられている若君は将来太政大臣になるのだろう。となると、明石で生まれた姫は中宮になる運命か>
将来の中宮ならば生まれ育ちが重要になる。
<姫が田舎で生まれてしまったのは恐れ多い。母子の体調が落ち着いたら、東の院へ迎えよう>
と改築をお急がせになった。
三月になると、
<もうすぐ生まれるのではないだろうか>
と、こっそり使者を明石へお出しになる。使者はすぐに戻ってきて、
「十六日に姫君がお生まれになりました。ご安産でございます」
と報告した。
<初めての女の子だ>
源氏の君はうれしい一方で、
<どうして都に迎えて出産させなかったのだろう>
と後悔なさる。
というのも、実は以前、源氏の君は占い師にこんなことを言われたことがある。
「あなた様のお子は三人お生まれになります。ひとりは帝、ひとりは中宮におなりになります。残りのひとりは、そのふたりに比べればご身分は劣りますが、太政大臣におなりになるでしょう」
源氏の君はお子をひとりひとり考えていかれる。
<入道の宮との間に生まれた皇子は先月帝におなりになった。舅大臣家で育てられている若君は将来太政大臣になるのだろう。となると、明石で生まれた姫は中宮になる運命か>
将来の中宮ならば生まれ育ちが重要になる。
<姫が田舎で生まれてしまったのは恐れ多い。母子の体調が落ち着いたら、東の院へ迎えよう>
と改築をお急がせになった。



