笑い猫
心の中にある様々な思いを、笑いで表現する猫。にっこりと笑みを浮かべたり、おかしそうに、げらげら笑ったり、やるせない顔で笑うことができる。にたにた笑ったり、あざけるような目で笑ったり、渋い顔で笑ったり、作り笑いもできる。しっかりした考えを持っていて、性格によって運命が決まると信じている。人を観察することが好きで、人の話が聞いて分かる。

ピアノ調律師
目が見えない全盲の視覚障害者。心の感性が研ぎ澄まされていて、普通の人や普通の動物には聞こえない、かすかな音を感じ取ることができる。植物が土の中で成長していく時に出る小さな音や、つぼみが膨らんで花が咲く寸前に出る優しい音を耳で感じることができる。

サンパオ
笑い猫と妻猫の三番目の子ども。きょうだいのなかで、一番無邪気で、一番愛らしい子猫。きょうだいのなかで、唯一、笑うことができる。

黒騎士
町の西部に住んでいて、騎士のように勇敢で、災害救助犬として活躍していた黒いラブラドル・レトリバー犬。中国の四川省で大きな地震が起きた時に、がれきの下から人を救出するために、足を負傷して、後ろ足に障害を負ってしまった。それ以後は盲導犬となって全盲のピアノ調律師のために力を尽くしている。

黒狐
町の北部に住んでいて、性格が素直でなく、狐(キツネ)のように狡猾で、よくうそをつく黒いラブラドル・レトリバー犬。卑屈で、いじけたところがあり、物事を正しく考えないところがある。後ろ足に障害がある。

黒狼
町の南部に住んでいて、狼(オオカミ)のように怖くて陰険な黒いラブラドル・レトリバー犬。人の足元を見て態度を変えるところがある。お金持ちや地位の高い人には、こびるが、そうでない人には怖い態度を取る。後ろ足に障害がある。

黒獅
町の東部に住んでいて、獅(ライオン)のように幅を利かせている黒いラブラドル・レトリバー犬。いつも悠然と構えている。恩を受けても感謝する心が少しもない。後ろ足に障害がある。

フェイナ
白いプードル犬。頭の上に巻き毛があり、飼い主さんが巻き毛の色を毎日、塗り変えている。赤、緑、青、黄色……。フェイナ自身も、とてもお洒落好きなので、いろいろな色に塗り変えられることを楽しみにしている。

老いらくさん
どれくらい長く生きてきたか、自分でも分からないほど年を取っているネズミ。翠湖公園にいるネズミはすべて老いらくさんの子孫。優れた知恵があり、道理に通じている。ユーモアのセンスにもたけている。ずる賢いところが多いが、よいところも少しだけある。よいネズミでもなく、悪いネズミでもなく、まあまあのネズミといったところ。