プロフィール

浜咲みちる
【会員番号】975120

作品一覧

タイムスリップできる傘

総文字数/109,371

絵本・童話21ページ

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唐の時代からタイムスリップしてきた仙女のミー先生は不思議な傘を持っている。傘を開いて、傘の軸についているボタンを押すと、自分や、身近な人や、親しい動物の過去や将来の姿が傘紙のなかに見えてくる。声も聞こえてくる。傘はタイムスリップできるだけではない。鳥のように空を飛んだり、ダチョウのように道を走ったりすることもできる。この不思議な傘に心を惹かれた主人公の笑い猫は、いつかこの傘を使って、自分や身の回りにいる動物や、いつも優しくしてくれる人たちの過去や将来を見てみたいと、ずっと思っていた。そんなある日、笑い猫の望みが叶えられるときがついにやってきた。ミー先生に急用ができて、傘をうちに置いたまま、しばらく、うちへ帰ってこないことになったからだ。ミー先生が飼っている犬のシャオパイと笑い猫は友だちだから、笑い猫はシャオパイの許可を得て傘に触り、空飛ぶボタンを押して、傘に乗ってうちへ帰り、自分や妻猫や友だちの過去や将来の姿を興味深そうに見ていた。食べ物を持ってきて優しくしてくれる馬小跳や、杜真子や、馬小跳のクラスメイトたちの将来の姿も見ることができた。みんな、それぞれ個性を十分に生かして立派な人間になっていた。
カエル合唱団

総文字数/118,305

絵本・童話21ページ

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環境汚染のために田舎に住めなくなったトノサマガエルが町にやってきて、ハエやカを駆除して町の環境衛生に貢献する物語。カエルたちは昼間は町のあちこちに出かけていって懸命に働き、夜になると湖の中で一日の疲れを休めながら、きれいな声で合唱していた。カエルたちが活躍する様子や、美しい三部合唱はマスコミで取り上げられて、カエルたちは、たちまち、町の人気者になった。しかしカエルたちは、ひどい目に遭うことがたびたびあった。この国ではカエルを食べる習慣があるので、捕まえられて、レストランの厨房に運ばれて、調理されそうになったこともあった。環境汚染の影響を受けてたくさんの奇形ガエルが生まれていたので、そこに目をつけられて、見世物としてお金を取って商売をする者もいた。ハエやカを町から一掃することができたカエルたちは、ふるさとの田舎へ帰ることにした。しかしやはり、そこはとても住めるようなところではなかった。工場がたくさんできていて、その工場から出る有機水銀などの汚染物質が川に流れ込んで川を汚していたからだ。田んぼや畑でもカエルたちは必要とされなくなっていた。農薬を用いて害虫の駆除を行う農業が普及してきたからだ。行き場を失ったカエルたちは、ふるさとを離れて、さらに辺鄙なところへ向かい、ようやくまだ汚染されていない自然豊かな環境を見つけることができた。
雲の上の学校

総文字数/109,884

絵本・童話21ページ

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学校での詰め込み教育に適応できなくて、勉強することに意欲や興味を失い、うつうつとした生活を送っていた子どもたちが、高山の頂上にある『雲の上の学校』に来て、元気を取り戻す物語。『雲の上の学校』の先生は、魔法使いでもあり仙人でもあるミー先生。唐の時代からタイムスリップしてきた妖姫(怪しい雰囲気を感じさせる美人)で、不思議な傘を持っている。傘の柄についているボタンを押すことで、空を飛んだり、子どもたちに空中旅行をさせることができる。子どもたちをタンチョウの背中に乗せて、バイクのように空を走らせることもできる。 ミー先生は真夜中に二つの袋を持って空を飛んで、子どもたちの夢を集めに行く。子どもたちが住んでいる家に窓から入り、楽しい夢を見ている子どもがいたら、その夢はピンクの袋に入れる。いやな夢を見て、うなされている子どもがいたら、その夢は黒い袋に入れる。持ち帰った夢を分析して、子どもの心の健康状態を知り、ケアに役立てている。うつうつとした生活を送っている子どもは、寝ているときに、いやな夢にうなされることが多い。その子どもをケアするために、ミー先生は両親と教師の承諾を得て、その子を『雲の上の学校』に連れていく。『雲の上の学校』で、子どもたちは、これまでとは打って変わった楽しい生活を行ない、明るい性格の子どもに変わっていく。『雲の上の学校』には古代の伝説のなかに出てくる花顔鹿という動物もタイムスリップしてきている。子どもたちは珍しい動物を見て楽しく過ごしたり、ミー先生から自然の神秘について自分の目を通して発見することの楽しさを学んで、勉強する意欲と興味を取り戻していった。
黒騎士を探して

総文字数/99,603

絵本・童話21ページ

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日が経つにつれて、子どもたちは、体も心もだんだん成長していった。これまではぼくと妻猫がいつもそばについていて、しっかり守ってあげなければならなかったが、これからは誰かいい友だちを見つけて、友だちとの交流の中から、立派な成猫となれるような性格形成を自分でおこなっていかなければならない。 ぼくたちが住んでいる翠湖公園の中には、公園の近くに住んでいる猫たちがたくさん集まってくる場所があり、うちの子どもたちも気が合う友だちを見つけようと思って、毎日その場所に出かけていって、いろいろな猫と交流していた。でもまだ、心から好きになれるような友だちには出会えないでいる。 秋が深まり、木々の葉が風にひらひらと舞うころ、一番下の子どものサンパオが、この公園から出ていって、猫ではなくて黒騎士と呼ばれるラブラドル・レトリバー犬を探して、友だちになりたいと急に言い出した。唐突な考えに、ぼくはびっくりした。しかし災害救助犬として、これまで大活躍してきた黒騎士を探して、友だちになることができたら、サンパオの性格形成においてプラスになるだろうと思ったので、ぼくは力を貸すことにした。サンパオだけで探しに行かせることには不安を感じたので、ぼくはサンパオに付き添って、一緒に行くことにした。ぼくの友だちである老いらくさんも、一緒についてきてくれることになった。老いらくさんはネズミだが、思慮に富んでいて、適切な助言を与えてくれることが多いので、心強く思った。家をしばらく留守にすることになるが、パントーとアーヤーのことは妻猫がきちんと面倒をみてくれるだろう。 サンパオの決意を聞いてからまもまく、ぼくとサンパオは、家族にしばしの別れを告げて旅に出た。老いらくさんもスイカボールの中に入って転がりながらついてきた。 道中、いろいろなラブラドル・レトリバー犬と出会った。いい犬もいれば、悪い犬もいた。黒騎士ではないかと思われるような犬もいた。外見とは裏腹に、心の中は陰険で恐ろしい犬もいた。ぼくがそばにいなかったら、純粋で疑うことを知らないサンパオは、うっかりして悪い犬にだまされて、狡猾なわなにはまっていたかもしれない。何度も何度も期待と失望を繰り返しながら、ぼくたちは、町の郊外を方々、探し回った。そしてついに、ある日ようやく黒騎士と出会うことができた。災害救助犬として活躍していた黒騎士は今は盲導犬として活躍していた。
歌が歌える猫

総文字数/104,783

絵本・童話21ページ

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黄色く色づいたイチョウの葉が、ひらひらと地に舞って、秋が深まってきたころ、子猫のアーヤーの心のなかに、ひそかな願いが生じた。 (言葉が話せない障害者のおじいさんを手伝って新聞を売ってあげよう) アーヤーはそう思ったので、人の声真似ができる九官鳥を訪ねて行った。昼も夜も練習を重ねて、アーヤーはついに人の声真似ができるようになった。 「人民日報、ローカル新聞、ビジネス新聞」 新聞を売る猫を見て、町の人たちはびっくりして、町じゅうの話題となった。 その年も暮れてクリスマスイブの日。アーヤーは夜寝ているときに、不思議な夢を見た。夢のなかにサンタクロースが現れて、アーヤーを病院に連れて行った。病院のなかには、 植物人間となって、こんこんと眠っている人がいた。そのそばには七歳ぐらいの女の子がいて、植物人間に歌を歌ってあげていた。…… アーヤーが見た夢の内容は、このようなものだった。 夢からさめたアーヤーは自分も心に響く歌を歌って、意識を失っている人の意識を取り戻してあげたいと思うようになった。 九官鳥に歌い方を習って、血のにじむような練習を毎日おこなったアーヤーは、のどを痛めてしまった。それでもアーヤーはめげないで歌の練習に励んだ。それからまもなく、町の郊外にある病院のなかから、深夜になると、『鲁冰花(ルピナス)の花』という歌が聞こえてくるようになった。哀愁にみちた旋律は、たゆたうように病棟のなかを流れていった。まるで天使が歌っているかのように優しくてきれいな歌声だった。

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