プロフィール

浜咲みちる
【会員番号】975120

作品一覧

怪しい町

総文字数/101,314

絵本・童話21ページ

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秋が深まってきたころ、翠湖公園の中をそれまで赤や黄色に美しく彩っていた落葉樹の木の葉はほとんど落ちてしまい、とても寂しくなった。町の中の街路樹も殺風景になり、地面の上に、じゅうたんのように散り敷いていた枯葉が、時折、冷たい風に吹かれながら宙に舞い上がり、しばらく宙を漂ってから、再び、ひらひらと地面に落ちていた。そんな寂寞としたこの町の一角にある桜木横丁で一夜のうちに異変が起きた。桜木横丁のシンボルである桜の木がいっせいに満開になったからだ。桜はたいてい春に咲く花だし、狂い咲きにしては不気味なほどの見事さだった。桜のなかには秋にも咲く品種もある。しかし桜木横丁の桜が秋に咲いたことはこれまでなかったので、あまりにも怪しすぎた。よく見ると、本物の桜ではなかった。誰かが造花の桜を銅線にくくりつけて、本物の桜に見せかけていた。にせものの桜に気がついた人のなかには冷たい目で見る人もいた。しかし多くの人は、今のわびしい時季に彩りを与えようとしているのだと思って容認したり、クリスマスツリーが見られるようになるまでのつなぎとして楽しんでいた。 花見客でにぎわう桜木横丁の中に、疑わしいことをしてお金儲けをたくらむペテン師が現れた。子どもの頭をよくしたいと思っている親心につけ込んで、まやかしの方法を考えて、子どもの頭に鍼(はり)を刺したり、頭がよくなるスープを作って飲ませたり、難しい本を読ませたり、受験指南書を買わせて私腹を肥やしていた。主人公の笑い猫は親友の老いらくさんと力を合わせて、ペテン師のまやかしを暴いてから、苦痛な目に遭っている子どもたちを救ったり、桜木横丁を、もとの平穏な町にするために、晩秋の日々、奮闘していた。
タイムスリップできる傘

総文字数/109,371

絵本・童話21ページ

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唐の時代からタイムスリップしてきた仙女のミー先生は不思議な傘を持っている。傘を開いて、傘の軸についているボタンを押すと、自分や、身近な人や、親しい動物の過去や将来の姿が傘紙のなかに見えてくる。声も聞こえてくる。傘はタイムスリップできるだけではない。鳥のように空を飛んだり、ダチョウのように道を走ったりすることもできる。この不思議な傘に心を惹かれた主人公の笑い猫は、いつかこの傘を使って、自分や身の回りにいる動物や、いつも優しくしてくれる人たちの過去や将来を見てみたいと、ずっと思っていた。そんなある日、笑い猫の望みが叶えられるときがついにやってきた。ミー先生に急用ができて、傘をうちに置いたまま、しばらく、うちへ帰ってこないことになったからだ。ミー先生が飼っている犬のシャオパイと笑い猫は友だちだから、笑い猫はシャオパイの許可を得て傘に触り、空飛ぶボタンを押して、傘に乗ってうちへ帰り、自分や妻猫や友だちの過去や将来の姿を興味深そうに見ていた。食べ物を持ってきて優しくしてくれる馬小跳や、杜真子や、馬小跳のクラスメイトたちの将来の姿も見ることができた。みんな、それぞれ個性を十分に生かして立派な人間になっていた。
カエル合唱団

総文字数/118,305

絵本・童話21ページ

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環境汚染のために田舎に住めなくなったトノサマガエルが町にやってきて、ハエやカを駆除して町の環境衛生に貢献する物語。カエルたちは昼間は町のあちこちに出かけていって懸命に働き、夜になると湖の中で一日の疲れを休めながら、きれいな声で合唱していた。カエルたちが活躍する様子や、美しい三部合唱はマスコミで取り上げられて、カエルたちは、たちまち、町の人気者になった。しかしカエルたちは、ひどい目に遭うことがたびたびあった。この国ではカエルを食べる習慣があるので、捕まえられて、レストランの厨房に運ばれて、調理されそうになったこともあった。環境汚染の影響を受けてたくさんの奇形ガエルが生まれていたので、そこに目をつけられて、見世物としてお金を取って商売をする者もいた。ハエやカを町から一掃することができたカエルたちは、ふるさとの田舎へ帰ることにした。しかしやはり、そこはとても住めるようなところではなかった。工場がたくさんできていて、その工場から出る有機水銀などの汚染物質が川に流れ込んで川を汚していたからだ。田んぼや畑でもカエルたちは必要とされなくなっていた。農薬を用いて害虫の駆除を行う農業が普及してきたからだ。行き場を失ったカエルたちは、ふるさとを離れて、さらに辺鄙なところへ向かい、ようやくまだ汚染されていない自然豊かな環境を見つけることができた。
雲の上の学校

総文字数/109,884

絵本・童話21ページ

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学校での詰め込み教育に適応できなくて、勉強することに意欲や興味を失い、うつうつとした生活を送っていた子どもたちが、高山の頂上にある『雲の上の学校』に来て、元気を取り戻す物語。『雲の上の学校』の先生は、魔法使いでもあり仙人でもあるミー先生。唐の時代からタイムスリップしてきた妖姫(怪しい雰囲気を感じさせる美人)で、不思議な傘を持っている。傘の柄についているボタンを押すことで、空を飛んだり、子どもたちに空中旅行をさせることができる。子どもたちをタンチョウの背中に乗せて、バイクのように空を走らせることもできる。 ミー先生は真夜中に二つの袋を持って空を飛んで、子どもたちの夢を集めに行く。子どもたちが住んでいる家に窓から入り、楽しい夢を見ている子どもがいたら、その夢はピンクの袋に入れる。いやな夢を見て、うなされている子どもがいたら、その夢は黒い袋に入れる。持ち帰った夢を分析して、子どもの心の健康状態を知り、ケアに役立てている。うつうつとした生活を送っている子どもは、寝ているときに、いやな夢にうなされることが多い。その子どもをケアするために、ミー先生は両親と教師の承諾を得て、その子を『雲の上の学校』に連れていく。『雲の上の学校』で、子どもたちは、これまでとは打って変わった楽しい生活を行ない、明るい性格の子どもに変わっていく。『雲の上の学校』には古代の伝説のなかに出てくる花顔鹿という動物もタイムスリップしてきている。子どもたちは珍しい動物を見て楽しく過ごしたり、ミー先生から自然の神秘について自分の目を通して発見することの楽しさを学んで、勉強する意欲と興味を取り戻していった。
黒騎士を探して

総文字数/99,603

絵本・童話21ページ

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日が経つにつれて、子どもたちは、体も心もだんだん成長していった。これまではぼくと妻猫がいつもそばについていて、しっかり守ってあげなければならなかったが、これからは誰かいい友だちを見つけて、友だちとの交流の中から、立派な成猫となれるような性格形成を自分でおこなっていかなければならない。 ぼくたちが住んでいる翠湖公園の中には、公園の近くに住んでいる猫たちがたくさん集まってくる場所があり、うちの子どもたちも気が合う友だちを見つけようと思って、毎日その場所に出かけていって、いろいろな猫と交流していた。でもまだ、心から好きになれるような友だちには出会えないでいる。 秋が深まり、木々の葉が風にひらひらと舞うころ、一番下の子どものサンパオが、この公園から出ていって、猫ではなくて黒騎士と呼ばれるラブラドル・レトリバー犬を探して、友だちになりたいと急に言い出した。唐突な考えに、ぼくはびっくりした。しかし災害救助犬として、これまで大活躍してきた黒騎士を探して、友だちになることができたら、サンパオの性格形成においてプラスになるだろうと思ったので、ぼくは力を貸すことにした。サンパオだけで探しに行かせることには不安を感じたので、ぼくはサンパオに付き添って、一緒に行くことにした。ぼくの友だちである老いらくさんも、一緒についてきてくれることになった。老いらくさんはネズミだが、思慮に富んでいて、適切な助言を与えてくれることが多いので、心強く思った。家をしばらく留守にすることになるが、パントーとアーヤーのことは妻猫がきちんと面倒をみてくれるだろう。 サンパオの決意を聞いてからまもまく、ぼくとサンパオは、家族にしばしの別れを告げて旅に出た。老いらくさんもスイカボールの中に入って転がりながらついてきた。 道中、いろいろなラブラドル・レトリバー犬と出会った。いい犬もいれば、悪い犬もいた。黒騎士ではないかと思われるような犬もいた。外見とは裏腹に、心の中は陰険で恐ろしい犬もいた。ぼくがそばにいなかったら、純粋で疑うことを知らないサンパオは、うっかりして悪い犬にだまされて、狡猾なわなにはまっていたかもしれない。何度も何度も期待と失望を繰り返しながら、ぼくたちは、町の郊外を方々、探し回った。そしてついに、ある日ようやく黒騎士と出会うことができた。災害救助犬として活躍していた黒騎士は今は盲導犬として活躍していた。

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