ずっと一緒にいられると思っていたのに。ずっと生きていてくれると思っていたのに。
たった一つの出来事をきっかけに、こんなにも簡単に終わってしまうのか。
君と共にいることができないこの世が憎い。君と共にいることを許してくれないこの世が憎い。
自分にとって故郷と呼べるのは、田舎で長閑な祖母と過ごしたあの町である。少なくとも、これから向かう両親と暮らすことになる街ではない。
何の仕事をしているのか、何処で暮らしているのか、年齢も名前も何も知らない。写真以外で両親の姿を今まで見たことがなかった。
突然押しかけてきて帰ろうと言われて、素直に従えるはずがなかった。祖母と暮らした町を離れることが、蕗を独りにすることがどうしても我慢ならなかった。
しかし自分は弱い。親の圧力に押し負けて、親が言っているからと理由をつけて諦めてしまった。
ずっと傍にいると約束した彼女を呆気なく独りにしてしまった。
もし祖母が死ななければ、両親が押しかけてくることなど無かったのだろうか。蕗を独りにする必要も、夢を諦める必要もなかったのだろうか。
死ぬ前日まで何気なく朝の散歩に行って、晩御飯も一緒に食べたというのに。どうして健康だった祖母は死んでしまったのだ。
この町には疫病神がいるんだ。
大好きだった丘の上で虐めっ子から聞いた根も葉もない噂。疫病神と呼ばれているのは、共に暮らしていた蕗のことだと知ってしまった。
あの日、背後で倒れた子供に駆け寄っていれば良かった。逃げずに真っ直ぐと家に帰っていれば、虐めっ子に会うこと無くあの話を聞かなくて済んだかもしれない。
考えれば考えるほど、今更どうしようもできない後悔が渦を成す。全ては自分が逃げ出したことによって、不幸が連鎖してしまった。
しかし、考えてもみろ。虐めっ子から離れられるのだから、両親に付いて行くのは都合がいいじゃないか。もう痛い思いをする必要も苦しむ必要もない。毎朝新聞配達をする必要もなくなった。毎日怯えて暮らす必要がなくなった。
思えばあの町で暮らしていて、祖母と一緒にいたとしても幸せだと思えたことはほとんど無かった。
あの町で写真館と言うと自分の家である風柳写真館くらいである。一風変わった家業を営んでいるのだから、虐めっ子達にも自分の家は特定されていた。
いつから自分は彼らに虐められるようになったのだろう。何が彼らの気に触れてしまったのだろう。
ただただ一方的に痛めつけられるだけの日々。辛かった、痛かった、恥ずかしかった、情けなかった。
そんな日々から逃げられるのだからこれでいいはずなのに、どうしてこんなにももどかしいのだろう。
どうして自分は後悔しているのだろう。何に対して後悔しているのだろう。
たった一つの出来事をきっかけに、こんなにも簡単に終わってしまうのか。
君と共にいることができないこの世が憎い。君と共にいることを許してくれないこの世が憎い。
自分にとって故郷と呼べるのは、田舎で長閑な祖母と過ごしたあの町である。少なくとも、これから向かう両親と暮らすことになる街ではない。
何の仕事をしているのか、何処で暮らしているのか、年齢も名前も何も知らない。写真以外で両親の姿を今まで見たことがなかった。
突然押しかけてきて帰ろうと言われて、素直に従えるはずがなかった。祖母と暮らした町を離れることが、蕗を独りにすることがどうしても我慢ならなかった。
しかし自分は弱い。親の圧力に押し負けて、親が言っているからと理由をつけて諦めてしまった。
ずっと傍にいると約束した彼女を呆気なく独りにしてしまった。
もし祖母が死ななければ、両親が押しかけてくることなど無かったのだろうか。蕗を独りにする必要も、夢を諦める必要もなかったのだろうか。
死ぬ前日まで何気なく朝の散歩に行って、晩御飯も一緒に食べたというのに。どうして健康だった祖母は死んでしまったのだ。
この町には疫病神がいるんだ。
大好きだった丘の上で虐めっ子から聞いた根も葉もない噂。疫病神と呼ばれているのは、共に暮らしていた蕗のことだと知ってしまった。
あの日、背後で倒れた子供に駆け寄っていれば良かった。逃げずに真っ直ぐと家に帰っていれば、虐めっ子に会うこと無くあの話を聞かなくて済んだかもしれない。
考えれば考えるほど、今更どうしようもできない後悔が渦を成す。全ては自分が逃げ出したことによって、不幸が連鎖してしまった。
しかし、考えてもみろ。虐めっ子から離れられるのだから、両親に付いて行くのは都合がいいじゃないか。もう痛い思いをする必要も苦しむ必要もない。毎朝新聞配達をする必要もなくなった。毎日怯えて暮らす必要がなくなった。
思えばあの町で暮らしていて、祖母と一緒にいたとしても幸せだと思えたことはほとんど無かった。
あの町で写真館と言うと自分の家である風柳写真館くらいである。一風変わった家業を営んでいるのだから、虐めっ子達にも自分の家は特定されていた。
いつから自分は彼らに虐められるようになったのだろう。何が彼らの気に触れてしまったのだろう。
ただただ一方的に痛めつけられるだけの日々。辛かった、痛かった、恥ずかしかった、情けなかった。
そんな日々から逃げられるのだからこれでいいはずなのに、どうしてこんなにももどかしいのだろう。
どうして自分は後悔しているのだろう。何に対して後悔しているのだろう。



