いじわる吸血鬼と、とびきり甘い“花嫁契約”。

 ちゅんちゅん、という鳥の鳴き声で私は目を覚ました。

 真っ先に目に飛び込んでくるのは、自宅とは違うおしゃれな部屋。

 そうだ………昨日から寮生活が始まったんだった………。



『みーこ、俺の花嫁になって?』



 突然、クロさんに言われた言葉が脳内でフラッシュバックする。

 “花嫁契約”は愛の誓いみたいなものだって言ってた………よね?

 それって、まるでクロさんが、私のことをーーー。

 考えるだけで、ぼっ、と顔が熱くなった。

 ………うん、考え出したらキリがない。

 とりあえず、今日は学校生活だけに集中しよう………!

 そう思いながら、私は寮のドアを開けた。



▷▷▷



 私は今、1‐Ⅰの教室の前に立っている。

 うぅ………緊張する………。

 友達、ちゃんとできるかな………っ。

 最後に、すー、はー、すー、はー、とゆっくり深呼吸してから私は教室のドアを開けた。

「おひゃようごがいます………っ」

 噛んだ。それはもう盛大に。

 クラスメイトの視線が一斉に私に集まる。

 スタートダッシュは大失敗。

 あぁ………穴があったら埋まりたいぃいいいぃぃぃ………。

 私は恥ずかしさで真っ赤になりながら、自分の席に向かった。



「ねぇ、あの子誰………?」

「え、めっちゃ可愛い………」

「誰か声かけて来いよ」

「美少女すぎるって………」



 なんか、ひそひそ言われてる感じがする………。

 もしかして、さっき噛んだこと………?

 変な人だと思われたかな………。