「あ! こっちも珍しいよ! 見て! 校庭の方に山里先輩と日宮先輩が揃ってる!」
「ええ!? うそ、どこ!?」
また他の女子生徒が窓にへばりつく勢いで叫ぶと、他の子たちも窓側へ移動した。
山里那岐先輩は白狐のあやかしで、日宮煉先輩は里の外から来た火鬼って言う種類の鬼なんだって。
風雅先輩とはまた違った意味で特別な三年生のあやかしたち。
「ん? あれ? ねぇ、あの人たちちょっと怪しくない?」
「どこ?……あ、本当だ。男子生徒が数人で集まって先輩達の方見てる」
窓にへばりついている子たちが何やらマズイんじゃない? と話し出す。
「そうだ! ねぇ美紗都ちゃん、あの人たちのこと“見て”くれない?」
どうしたのかと思っていたら、突然呼ばれて手招きされた。
彼女たちのところに行くと、二人の先輩たちをジッと見つめている集団がなんだか怪しいんだって。
「里の外から来た日宮先輩のことをよく思ってない人って何人かいるのよね。そんな人たちだったら危ないんじゃないかと思って」
そんな説明をされたので、わたしは二つ返事で請け負った。
指定された人たちに目を向けてジッと集中して“見る”。
すると彼らの胸の辺りにまあるい球の様なものが出現した。
集中するとわたしにだけ見えるその球は、人の感情の変化を教えてくれる。
だからわたしはそれを《感情の球》って呼んでいるんだ。
これがわたしのサトリとしての能力。
「ええ!? うそ、どこ!?」
また他の女子生徒が窓にへばりつく勢いで叫ぶと、他の子たちも窓側へ移動した。
山里那岐先輩は白狐のあやかしで、日宮煉先輩は里の外から来た火鬼って言う種類の鬼なんだって。
風雅先輩とはまた違った意味で特別な三年生のあやかしたち。
「ん? あれ? ねぇ、あの人たちちょっと怪しくない?」
「どこ?……あ、本当だ。男子生徒が数人で集まって先輩達の方見てる」
窓にへばりついている子たちが何やらマズイんじゃない? と話し出す。
「そうだ! ねぇ美紗都ちゃん、あの人たちのこと“見て”くれない?」
どうしたのかと思っていたら、突然呼ばれて手招きされた。
彼女たちのところに行くと、二人の先輩たちをジッと見つめている集団がなんだか怪しいんだって。
「里の外から来た日宮先輩のことをよく思ってない人って何人かいるのよね。そんな人たちだったら危ないんじゃないかと思って」
そんな説明をされたので、わたしは二つ返事で請け負った。
指定された人たちに目を向けてジッと集中して“見る”。
すると彼らの胸の辺りにまあるい球の様なものが出現した。
集中するとわたしにだけ見えるその球は、人の感情の変化を教えてくれる。
だからわたしはそれを《感情の球》って呼んでいるんだ。
これがわたしのサトリとしての能力。