そうだよ。

 あの二人のことも本当にどうしよう。


 山里先輩の方は本人というよりも周りの噂をどうにかしなきゃならないし……。

 煉先輩の方は何だか変に気に入られちゃったみたいだから、更に会わないようにしないと。


「ううぅ……わたしの平穏な学生生活がぁ……」

「……うん、それは滝柳先輩に可愛がられてる時点で無理だから諦めようか?」

 そう言って頭をポンポンと叩いて来る仁菜ちゃんに、わたしは恨めし気な視線を送った。

「それって最初からってことじゃないー……」

***

 そんなこんなで授業中以外は慌ただしい日々になった。

 クラス内は一週間頑張って説明したおかげで落ち着きを取り戻したけれど、教室を出ると他のクラスや別学年の女子に噂される毎日。

 それでも直接「付き合ってるの!?」と聞きに来てくれる人もいるから、その度に否定するんだけど……。



「あ、良かったいてくれて。はい、今日のお菓子」

 昼休みとなると毎日差し入れと称してお菓子を持ってきてくれるようになった山里先輩。

 初日はお礼だって言っていたからともかく、そんな毎日もらうわけにはいかないって断ったんだけど……。