「絶対に風雅先輩美沙都ちゃんのこと好きだって!」

 帰り道、仁菜ちゃんと並んで歩きながら断言される。

 ゴミ捨てが遅くなったことでまずその理由を聞かれて一通り話したら、真っ先にそう言われた。


「まさか、そんなわけないよ」

「もう! 美沙都ちゃん鈍感すぎじゃない? そんな状況にまでなったならほぼ確実でしょう?」

 あくまでも否定するわたしに仁菜ちゃんはじれったい! とジタバタする。

 《感情の球》を見なくてもよくわかるほどの感情表現をする仁菜ちゃんに、ふふっと笑ってしまう。

 そうして和みつつ、わたしはポツリと答える。


「……だって、勘違いしたくないんだもん」

「どういうこと?」

 純粋な疑問に、わたしはためらいつつも話しだした。

***

 小学五年生のとき、クラスに転入生が来た。

 かっこよくて、明るい性格だった彼はすぐにクラスどころか学年で一番の人気者になった。

 たまたま最初に隣の席になったわたしは、何かと彼に可愛がられていたと思う。

 よく頭を撫でられたり、話しかけられたり。

 恋とまではならなかったけれど、まんざらでもない気分だった。

 そのせいで他の女子に詰め寄られたこともあったけど、助けてくれたし。


 ……ただ。