「っ! 風雅先輩!?」
彼の名前を叫んでから助けてもらったんだって気づく。
バサッというのは、風雅先輩の背中から生えているカラスの様な黒い翼が羽ばたいている音だ。
カラス天狗のあやかしである風雅先輩は、わたしをお姫様抱っこしながら飛んでいる。
風雅先輩の登場に驚いたのも束の間。
その顔の近さとお姫様抱っこされている現状にわたしはアワアワと顔を赤くさせた。
でも風雅先輩はそんなわたしに気づかないのか、ゆっくり地面に下りて立たせてくれる。
「なんだ、そいつを下ろしてやろうとしてたのか?」
立たせてくれたと同時に、わたしの手の中からひょっこり目を出したコタちゃんを見てそう言われた。
「あ、はい。木のささくれに引っかかって下りれなかったみたいで……。コタちゃん、大丈夫?」
地面に足を付けたことでホッとしたわたしは手の中のふわふわな毛玉を見る。
心配するわたしにコタちゃんは「キー!」と元気な声を上げたので、良かったと安心した。
「コタちゃん? こいつ、一昨日お前が連れて行った木霊だろう? 名前つけたのか?」
「あ、はい。コダマなのでコダちゃんって最初思ったんですけど、濁点のない方が可愛いなって思って」
そんな風に話していると、話題のコタちゃんがわたしの手から抜け出してスルスルと腕を上ってくる。
肩の上まで来ると、まるで助けてくれた感謝のようにわたしの頬にすり寄ってきてくれた。
彼の名前を叫んでから助けてもらったんだって気づく。
バサッというのは、風雅先輩の背中から生えているカラスの様な黒い翼が羽ばたいている音だ。
カラス天狗のあやかしである風雅先輩は、わたしをお姫様抱っこしながら飛んでいる。
風雅先輩の登場に驚いたのも束の間。
その顔の近さとお姫様抱っこされている現状にわたしはアワアワと顔を赤くさせた。
でも風雅先輩はそんなわたしに気づかないのか、ゆっくり地面に下りて立たせてくれる。
「なんだ、そいつを下ろしてやろうとしてたのか?」
立たせてくれたと同時に、わたしの手の中からひょっこり目を出したコタちゃんを見てそう言われた。
「あ、はい。木のささくれに引っかかって下りれなかったみたいで……。コタちゃん、大丈夫?」
地面に足を付けたことでホッとしたわたしは手の中のふわふわな毛玉を見る。
心配するわたしにコタちゃんは「キー!」と元気な声を上げたので、良かったと安心した。
「コタちゃん? こいつ、一昨日お前が連れて行った木霊だろう? 名前つけたのか?」
「あ、はい。コダマなのでコダちゃんって最初思ったんですけど、濁点のない方が可愛いなって思って」
そんな風に話していると、話題のコタちゃんがわたしの手から抜け出してスルスルと腕を上ってくる。
肩の上まで来ると、まるで助けてくれた感謝のようにわたしの頬にすり寄ってきてくれた。