一体どうすれば!? って気が動転してしまったわたしはつい《感情の球》を見た。

 そして驚く。


 彼の《感情の球》がとても綺麗な純白色をしていたから。

 赤ちゃんですらここまでの白さはない。

 でも、とりあえず《感情の球》が出たってことは生きてるってことだからホッとした。

 すぐに《感情の球》を見るのをやめて、体を揺すってみる。


「山里先輩、大丈夫ですか?」

 そう声をかけながら、普通に呼吸を確認すれば良かったんじゃないかな? って気づいた。
 わたし、動転しすぎ。


「う、うう……」

 少し揺すってみるとやっと反応があった。

「キー!」

 コタちゃんも嬉しそうにピョンピョン飛び跳ねている。

 山里先輩の瞼がゆっくり開き、薄い青の目がわたしを映した。


「ん……キミは……?」

「あ、わたし一年の瀬里美沙都って言います。大丈夫ですか? どうしてこんなところで倒れてるんですか?」

「ああ、ちょっと霊力切れを起こしたみたいだ」


 そう言いながら寝返りを打って仰向けになる山里先輩。

 起き上がるほどの力はないのか、何だかまだ辛そうに見える。


「霊力切れ?」

 聞いたことのない言葉を不思議に思うと、彼は説明してくれた。