そっと見上げると、「そうだよな? 美沙都」と甘い笑顔が降ってきた。
「は、はい! その通りです。なのですみませんが二人とも諦めてください」
ここはハッキリ断らないと風雅先輩に悪い。
そう思って、申し訳ない気持ちはあったけれどお断りの言葉を口にしたのに……。
「今はお前の彼女でも、この先どうなるかは分からねぇだろ?」
煉先輩が立ち上がり、不敵な笑みを浮かべる。
「それに言っただろう? 諦められないって。風雅っていう彼氏がいても、どんどん求愛アピールしていくから……覚悟しておいてね?」
同じく立ち上がった山里先輩は、優しい笑みを浮かべながらもどこか眼差しに黒いものを含ませていた。
ハッキリ断ったのに諦めてくれない二人に途方に暮れて、わたしは助けを求めるようにお父さんを見る。
わたしと視線が合ったお父さんはハッとして真面目な顔をした。
「子供たちの恋愛に口を出すつもりはないが、これだけは言っておく」
キリッとした顔で何を言うのかと思ったら……。
「美沙都は成人するまで嫁には出さないからな!」
「……」
お父さん、今言って欲しいのはそういうことじゃないんだけれど……。
「は、はい! その通りです。なのですみませんが二人とも諦めてください」
ここはハッキリ断らないと風雅先輩に悪い。
そう思って、申し訳ない気持ちはあったけれどお断りの言葉を口にしたのに……。
「今はお前の彼女でも、この先どうなるかは分からねぇだろ?」
煉先輩が立ち上がり、不敵な笑みを浮かべる。
「それに言っただろう? 諦められないって。風雅っていう彼氏がいても、どんどん求愛アピールしていくから……覚悟しておいてね?」
同じく立ち上がった山里先輩は、優しい笑みを浮かべながらもどこか眼差しに黒いものを含ませていた。
ハッキリ断ったのに諦めてくれない二人に途方に暮れて、わたしは助けを求めるようにお父さんを見る。
わたしと視線が合ったお父さんはハッとして真面目な顔をした。
「子供たちの恋愛に口を出すつもりはないが、これだけは言っておく」
キリッとした顔で何を言うのかと思ったら……。
「美沙都は成人するまで嫁には出さないからな!」
「……」
お父さん、今言って欲しいのはそういうことじゃないんだけれど……。



