思い返してみても特別何かをした覚えはない。

 ただ、はじめ警戒していた風雅先輩が警戒をといて笑顔を見せるようになったのは確か……。


「うーん……でも多分、女の子としてっていうより小動物を可愛がってるって感じだと思うよ?」

 一昨日のことを思い出しそう言う。

「えー? そうかなぁ?」

 仁菜ちゃんは納得していない表情だけど、それ以外に考えられないよ。


 わたしは仁菜ちゃんに「そうだよ」と重ねて言いながら一昨日のことを思い出した。

 わたしにとって大切な思い出になっている、素敵な出会いを。