「もしも和宏がまだ生きていたら、殺された家族はどう思うだろうな」


祐次は腕組みをして言った。


「きっと、報われない気持ちだろうね。もしかしたら、殺された家族の魂はまだあの家にあるのかもしれない。だから引っ越してきた人たちがどんどんおかしくなって行っているのかも」


自分で言いながら、つじつまは合うと考える。


そうなれば生きている和宏を捕まえることに焦点を定めることができるのだ。


「家に戻ろう」


祐次の言葉にくるみは力強くうなづいて立ち上がったのだった。