パシッと手を取って引き寄せて、後頭部を押さえる。

そうすれば逃げ場ナシ。

そのまま柔らかい唇へ合わせて、重ねて味わって。



『…メガネ邪魔』


『んんっ…!あまねく…っ、』



そんな強引な手口で最初は無理やりに付き合ってもらった。

たぶんそれすらも、立花からしたら『いじめ』だと思われていたとしても。


別にそれでよかった。



『俺、立花 彩と付き合ってるんだよね』


『……まじかよ』


『幼なじみには報告しておこうと思って』



小学生からの幼なじみである廉に伝えれば、あまり表情の変化が分からない中でも驚いてくれた。


でも『やめとけ』とは言わない。

それを知ってるから俺だって言えた。



『お前それ大丈夫なのか?』


『なにが?』


『女子から人気なお前と付き合ってるって知られたら、立花にもっと被害出るだろ』


『だから俺が守るんでしょ』



そのために付き合ったという理由も立派な理由のひとつだ。