奈落の果てで、笑った君を。

歴史・時代

◇理人◆/著
奈落の果てで、笑った君を。
作品番号
1693028
最終更新
2023/09/28
総文字数
185,912
ページ数
420ページ
ステータス
完結
PV数
221,049
いいね数
642
ランクイン履歴

歴史・時代1位(2023/06/12)

ランクイン履歴

歴史・時代1位(2023/06/12)





まっくら。
なにも見えない檻のなか。


無知すぎた、1羽の鳥。


空の青さも、太陽の温かさも、
そよ風の心地よさも。

飛び立つことはおろか、

己がどんな姿をしているのかさえ、
見ることができない。



わたしは。

───徳川幕府に存在を消された子。







荒れ狂う情勢。
失われてゆく幕府の権力。


京の都にて結成された
治安維持組織・見廻組。


のちに幕末と呼ばれる時代の激浪に
飲み込まれてしまう、この町で。

“生きていい”と許された、この場所で。


少女は罪深いほど、無邪気に笑う。










ああ悔しいさ、俺だって。
だから懸けさせてくれよ、せめて。

俺の流す血が、涙が、いずれの未来を作るって。


だって。

敗者が居なければ、
勝敗は成り立たないだろう?


生き抜け、生き抜け。

叫んだっていい、泣いたっていい、

ただ、走ることだけはやめるな。




『友を裏切り、幕府をも敵に回して、
お前を道連れにまでした弱い男だ俺は。

なのに───…、

まだそんな顔で笑ってくれるのか』




(お前のそれは、俺を狂わせる)



奈落の果てで、笑った君を。



(愛しいと抱いた想いだけは、
だれにも否定などさせやしない)




※流血表現、残酷描写あり



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この作品のレビュー

★★★★★
2023/09/27 20:21
投稿者: さん
ラストはボロ泣き、、、

改めて見廻組などを知るきっかけにもなったし、昔ならではの厳しさみたいなものが凄く心に残りました。 そして、朱花のピュアな感じが余計に泣けるきっかけになった気がしました。最後は涙が止まらなくて、ずっと泣きっぱなしでした。とても面白かったです

続きを見る
★★★★★
2023/08/03 01:32
投稿者: わたがし さん
ネタバレ
何回でも読んで!💓

レビューを見る
★★★★★
2023/08/02 12:04
投稿者: 彩空百々花 さん
ネタバレ
みんなきっと、笑って過ごしたい。

レビューを見る

この作品の感想ノート

理人さん、こんにちは。おかゆです。
恋愛小説を好む私としては、歴史は自分で学び、憧れ、そこから何かを感じ取って、それを自分なりに噛み砕いてこそ価値を得られるものだと思っていました。
だから正直、受動的に読む物語に歴史は求めていなかったんです()
でも、自分で学ぶものにはやっぱり限界があるし、解釈って色んな方法でできるけど自分の解釈の幅って狭いし。
歴史の捉え方のひとつとして、その中に物語を生み出すっていう方法がこんなにも感動するのか、と胸を打たれました。
史実に忠実に描かれていて、近江屋事件きたま?とか、これ沖田さんだな?ほらやっぱりーーーとか独り言言いながら読むの、めっちゃたのしかったです笑
なんか恋愛小説とは違うからいつものテンション感でコメント書けないんですけど。ほらもうコメントの変換で出てくる🌾の絵文字でさえ早乃助1人短かったね……とか思い出しちゃうし、、

朱花ちゃんに与えられた歳を取らないからだは呪いでも不運でもなくて、きっと朱花ちゃんの着物の懐に入る宝物のひとつだと思います。
愛嬌だってそう。
小さなからだで目一杯受け止めて、耐えてきて、ずっと笑って誰かを励まし続けた彼女自身が呪いであるはずがないんです。
だってみんながその純粋さに支えられてきたんだもん。

歳を取らない朱花ちゃんが、誰よりも強く、たくましく、それでいて数え切れないくらいたくさんの人に育てられてきた繊細さとか、人を想う豊かな心が自分自身を支える橋となってきっと私たちと同じ今を懸命に生きていることを願っています。

本文中にもあったけど、今を生きる人は戦時中のことを表面だけ知った振りをしてるひとばかりです。手付かずとなった当時の思い出も、記録も記憶だって形ないものになっていくでしょう。
温かいご飯がある。暖かい仲間がいる。
それがかつての幸せだったのかもしれない。移り変わる時代の中できっと共通した幸せのあり方は変わっていくけど、失われることはなかったはずなんです。それが失われかけるから、戦ってきたんです。誰かを守るために、自分の信念を貫くために。だから、私たちも今の幸せのために懸命に戦うこと、歯を食いしばって前に進み続けること、それが今を与えてもらった私たちにできることなのかな。ふと感じたブレブレの私の解釈です。

ああもう1000字ギリッギリですよやばい。。あ、理人さん愛してm

さん
2024/04/01 12:59

理人さん、初めまして!

小学生の頃から離れては戻ってきてを繰り返し、
ずっといろんな作品を読ませていただいているのですが、
こちらを読み終わった後、
映画を見終わったときのような
悲しいような、虚無感というか、喪失感のような。
入り込みすぎて余韻がすごすぎて、、、
初めて感想まで書きたいと思いました。

もうすごいです、こんな作品に出会えて幸せです。終わって悲しいです。ずっとずっと読み続けてたいです。語彙力無くしました。

理人さんの他の作品を読もうと見てみたら
過去に読んでハマった作品が何作もあってすごく腑に落ちました。

同時代ということで浅葱色の約束。こちらもすぐ読み終え喪失感半端ないです。
どれも最高です。
可愛いしかっこいいし、、、
現実見れないです。
続き気になりすぎて仕事も手につきません。
どうしてくれますか。?

初めましての誰やねんでほんとすみません。笑
ずっとずっと応援してます!
とりあえず読んでないもの全て読ませていただきます。
これからも頑張ってください!





みみみさん
2024/01/19 21:08

すごいよかったです!
朱花ちゃん可愛かったです!
今回は見廻組に朱花ちゃんがいた時の話
でしたけど新撰組にいた場合の話も
読んでみたいです🤤

RENAさん
2024/01/15 21:42

この作品のひとこと感想

すべての感想数:55

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