奈落の果てで、笑った君を。
歴史・時代
完
677
- 作品番号
- 1693028
- 最終更新
- 2024/09/13
- 総文字数
- 185,913
- ページ数
- 420ページ
- ステータス
- 完結
- PV数
- 280,346
- いいね数
- 677
- ランクイン履歴
-
歴史・時代1位(2023/06/12)
- ランクイン履歴
-
歴史・時代1位(2023/06/12)
まっくら。
なにも見えない檻のなか。
無知すぎた、1羽の鳥。
空の青さも、太陽の温かさも、
そよ風の心地よさも。
飛び立つことはおろか、
己がどんな姿をしているのかさえ、
見ることができない。
わたしは。
───徳川幕府に存在を消された子。
*
荒れ狂う情勢。
失われてゆく幕府の権力。
京の都にて結成された
治安維持組織・見廻組。
のちに幕末と呼ばれる時代の激浪に
飲み込まれてしまう、この町で。
“生きていい”と許された、この場所で。
少女は罪深いほど、無邪気に笑う。
*
・
ああ悔しいさ、俺だって。
だから懸けさせてくれよ、せめて。
俺の流す血が、涙が、いずれの未来を作るって。
だって。
敗者が居なければ、
勝敗は成り立たないだろう?
生き抜け、生き抜け。
叫んだっていい、泣いたっていい、
ただ、走ることだけはやめるな。
『友を裏切り、幕府をも敵に回して、
お前を道連れにまでした弱い男だ俺は。
なのに───…、
まだそんな顔で笑ってくれるのか』
(お前のそれは、俺を狂わせる)
奈落の果てで、笑った君を。
(愛しいと抱いた想いだけは、
だれにも否定などさせやしない)
※流血表現、残酷描写あり
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この作品のレビュー
この作品の感想ノート
理人さん、理人さん、繋がってるじゃないですか、理人さん。
新撰組じゃないですか理人さん。
浅葱色の約束で新撰組のお話が読みたくなって、新撰組で検索かけたら、なんと理人さんの作品が‼️
沖田さんですよ、土方さんですよ、もう、ほんとに大好きです❣️
って、これ、浅葱色の約束の感想じゃないですか…
気を取り直して、ちゃんとこのお話の感想を。(≧∀≦)
悪く言って仕舞えば、勝利を"諦めて"いる旧幕府軍。それでも、その先の残していく仲間の未来と、"負ける"ことによって得られるものを信じて走り続けたみんなは本当にすごいと思います。
そして、あすかちゃんが純粋で、明るくて、ほんっとうにかわいいです🩷
このお話の私の推しは桂さんです😍
チャラくて明るくて、でも仲間が大好きで……
生きて幸せになって欲しかった😭
理人さんの作品って読み始めたらとまらないんですよ…
私受験生なはずなんですけど…
理人さんのせいですよ!(すみませんすみません、ガキの分際がすみません)
これからも沢山読みます👍(受験生なんて知るもんか😡)
え、待って。この作品13年間生きて1番好きな作品かもしれない。やばい。
あ、こんばんは!理人さん。余韻に浸りすぎて感想ノートに来たのが気づかなかった桜恋ですw
朱花が純真無垢でこんな子が隣にいたらきっと、楽しませてくれるんだろうな〜と思いました。桂と只三郎が死んでしまうのはめっちゃめっちゃ悲しかったです…!😢
しかもあれですよ⁉︎朱花と尚晴捕まってしまって処刑場って!『え?え?』ってなって涙出そうでやばかったんですよ!でも最終的に関白様来てくださって助かることができて今度は安堵と喜びでマジ目にじわって涙が滲みましたね。めっっっっちゃ感動しました。てか何でこの作品にもっと早く出会えなかったんだ、って過去の自分を責めまくってますよ。野いちごは昔から知ってたのに。理人さんと出会うの遅すぎじゃね?と思いましたwもうマジで理人さんの作品最高すぎます!!もう〜涙止まらないじゃないですか。
理人さんの「お姉ちゃんになった私は、毒舌クール義弟を手懐けたいので。」とか「これが恋だなんて、知らなかったんだよ。」とかめっちゃハマっちゃったんですけど!もう好きすぎてやばい!特に今作品(奈落の果てで、)は1番のお気に入りですよ!もうこれ何で書籍化しないんでしょうね⁉︎手元におきたいぐらいです!理人さんの作品が最高すぎてテンション爆上がりでやばいんですけど。今日寝れないじゃないですかー。仕方ないから深夜まで読んで寝るか。では理人さん。これから「浅葱色の約束。」読んでくるので。
また次会いましょう!頑張ってくださいねー!🚩
理人さん、こんにちは。おかゆです。
恋愛小説を好む私としては、歴史は自分で学び、憧れ、そこから何かを感じ取って、それを自分なりに噛み砕いてこそ価値を得られるものだと思っていました。
だから正直、受動的に読む物語に歴史は求めていなかったんです()
でも、自分で学ぶものにはやっぱり限界があるし、解釈って色んな方法でできるけど自分の解釈の幅って狭いし。
歴史の捉え方のひとつとして、その中に物語を生み出すっていう方法がこんなにも感動するのか、と胸を打たれました。
史実に忠実に描かれていて、近江屋事件きたま?とか、これ沖田さんだな?ほらやっぱりーーーとか独り言言いながら読むの、めっちゃたのしかったです笑
なんか恋愛小説とは違うからいつものテンション感でコメント書けないんですけど。ほらもうコメントの変換で出てくる🌾の絵文字でさえ早乃助1人短かったね……とか思い出しちゃうし、、
朱花ちゃんに与えられた歳を取らないからだは呪いでも不運でもなくて、きっと朱花ちゃんの着物の懐に入る宝物のひとつだと思います。
愛嬌だってそう。
小さなからだで目一杯受け止めて、耐えてきて、ずっと笑って誰かを励まし続けた彼女自身が呪いであるはずがないんです。
だってみんながその純粋さに支えられてきたんだもん。
歳を取らない朱花ちゃんが、誰よりも強く、たくましく、それでいて数え切れないくらいたくさんの人に育てられてきた繊細さとか、人を想う豊かな心が自分自身を支える橋となってきっと私たちと同じ今を懸命に生きていることを願っています。
本文中にもあったけど、今を生きる人は戦時中のことを表面だけ知った振りをしてるひとばかりです。手付かずとなった当時の思い出も、記録も記憶だって形ないものになっていくでしょう。
温かいご飯がある。暖かい仲間がいる。
それがかつての幸せだったのかもしれない。移り変わる時代の中できっと共通した幸せのあり方は変わっていくけど、失われることはなかったはずなんです。それが失われかけるから、戦ってきたんです。誰かを守るために、自分の信念を貫くために。だから、私たちも今の幸せのために懸命に戦うこと、歯を食いしばって前に進み続けること、それが今を与えてもらった私たちにできることなのかな。ふと感じたブレブレの私の解釈です。
ああもう1000字ギリッギリですよやばい。。あ、理人さん愛してm
◇理人◆さんの書籍化作品
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