「ほらちゃんと見て?これ、噛まれてんだよ涼夏」


「っ、最っ低、」


「そう最低。涼夏に最低って言われる度にすっごい興奮するんだよね」



ガクッと、腰が砕けそうになって支えられなくなって。

ストンっと落ちそうになった身体を何とかキャッチされる。



「はっ、はぁ…っ、…頭おかしいです、」


「おぉ、まだ言う?」


「何度だって言います。頭おかしいサイコパス、トチ狂ってるサディスト、」



他にもたくさんたくさん。

それなのにほら。


先輩は今だって笑ってる。



「俺には今にも折れそうな木の枝片手に必死に抗ってるようにしか見えないね」



そう、わたしはいま腰が抜けるようにヘナヘナと先輩に身体を預けてる状態。

自分でももうやめとけって思うけど悔しい。


だから最後の抵抗。


こんな体勢の中でも先輩をキッと睨んで、ぐぐぐっと腕に力を込める。



「───…やっば。興奮する」



わたしがこうして見つめるのを、彼は待っている。

そしてもっとその先を期待している。











とある先輩の、歪んだ関係。