僕が涙を拭いて前を向くと、僕の大切な仲間たちが優しい目で僕を見ていた。



それは今までの僕の人生にはなかった出来事で、僕はこの異世界に来れて本当に良かったと、心から思っていた。



「なぁ、明彦。

シェーラ姫が住むお城って、もうすぐなんだろ?

シェーラ姫ってどんな人なんだ?」



ブライアンにそう聞かれると、僕はシェーラの顔を思い浮かべてこう答えた。



「シェーラさんはとってもきれいな人だよ。

金髪の長い髪で、優しそうな目をして、肌が透けるように白くて……。

本当にお姫様っていう感じがする品のある女性で……」



僕はシェーラのことを話しながら、異世界に来て、初めて目を開けたときのことを思い出していた。



僕が異世界で目を開けたとき、そこには美しいシェーラの顔があった。



あんなに女性と顔を近づけたことがなかった僕は、シェーラの美しい顔を間近で見て、息が詰まるくらいドキドキしていた。



そして僕はシェーラに闇の魔王、ダーギルの討伐を頼まれて、今に至る。



僕と大切な仲間たちを結びつけてくれたのは、シェーラだ。



僕がそんなことを考えているとき、ブライアンがハイテンションで、僕にこう言ってきた。



「シェーラ姫はめちゃくちゃ美人なんだよな。

ウワサはちゃんと聞いてるぜ。

すんげぇ、楽しみだなぁ。

早くシェーラ姫がいるお城に行こうぜ!」



ブライアンがそう言うと、リリーが怒り気味にブライアンにこう言った。