(汚い戦い方をしたダーギルを僕は倒す!

ブライアンのために。

そして日の光を失ってしまったベルミータ国の人たちのために)



僕は黒い影のようなダーギルの分身の黄色い目をにらみつけ、剣を片手に猛然と走っていた。



そんな僕の中で、過去の但野明彦の存在は薄れていた。



僕はもうヘタレな但野明彦じゃなくて、最強のパーティの一員である但野明彦だから。



僕がダーギルの分身に迫っていくと、ダーギルは雷系の魔法を唱えて攻撃してきた。



僕はそんなダーギルの魔法を素早くかわして、剣を振り上げると、ダーギルの分身の体を斜めに斬り裂いた。



すると、ダーギルの分身はまるで煙のように消え去り、お城の最上階のフロアーから姿を消した。



(勝てる……!)



僕はダーギルの分身を一体倒し、自分の強さがダーギルに通用すると確信していた。



(僕は闇の魔王、ダーギルにも負けない。

僕たちがダーギルを倒すんだ!)



お城の最上階のフロアーで、ダーギルの分身が次々と減っていき、僕はダーギルの分身の最後の一体と向き合っていた。



(ダーギルの分身もこれが最後の一体。

もしかして、これがダーギルの本体?

だとしたら、こいつを倒せば、僕たちの勝利だ!)



ダーギルを倒すという僕たちのミッションがクリア寸前まで迫っていた。



僕は剣を構え、最後のダーギルに向かって、全力で走り出していた。