「どうやら貴様たちは人間の魂みたいね。

どうやってこの世界に入り込んできたのかしら?」



そう言って、美女の夢妖怪が木の影からゆっくりと出てきた。



そしてその夢妖怪は胸が大きく足は細く、セクシーな大人の美女の魅力を醸し出していた。



桜介はその妖艶な大人の美女の魅力にドキリとしたが、そのことを口にすると、また愛理が怒り出すと思い、その言葉を胸にしまい込んだ。



「あなたのせいで、辺りが急に寒くなったの?

今までの夢妖怪とは違うみたいだけど、あなたは誰?」



愛理がいつものハッキリとした口調で美女の夢妖怪にそう言うと、その夢妖怪は妖しく笑い、こう答えた。



「私の名前は雪菜。

雪女の夢妖怪よ」



「雪菜さんって言うんですか?

オレは春野桜介でっす!」



「敵にまでデレデレしない!

自己紹介なんてしなくていいの!」



愛理がそう言って、また桜介に怒ったとき、雪菜は小声で笑いながら、桜介と愛理に近づいてきていた。



「フフフッ。

坊やの名前を覚える気など少しもない。

なぜなら坊やは死ぬからだ」



雪菜がそう言った次の瞬間、桜介の顔が一瞬で真剣モードに切り替わった。



どんなに美人でセクシーでも、自分の目の前にいるのは舞の大切な夢を食い尽くそうとしている夢妖怪の仲間だ。



自分がこの敵を倒さなくては、舞の大切な夢が消えてなくなる。



桜介はそう思うと同時に戦闘体勢に入っていた。