「君たちにこの動画を見て欲しい」
時宗はそう言うとポケットからスマホを取り出し、ある動画を再生させた。
オカルト部のメンバーたちはその一台のスマホをのぞき込み、この動画には本当に時宗が妖怪バスターの末裔だという証拠があるのだろうかと思いながら、動画に何が映っているかを見ようとしていた。
時宗がみんなに見せている動画の舞台は薄暗いお屋敷の中で、そこに時宗が真剣な顔つきで身構えながら立っていた。
でも、時宗の周りには妖怪らしきものは映っていない。
桜介は今からこの動画で何が起きるのだろうと思いながら、スマホの画面をじっと見つめていた。
「あっ、時宗君が動き出しました!」
ようやく動き出した時宗の姿に期待を込めてカノンが甲高い声を上げた。
「本当だ。
まるで誰かと剣で戦ってるみたい」
愛理がつぶやいた素朴なその感想に桜介が秒で突っ込みを入れた。
「剣で戦ってるみたいに見えても、時宗は剣も持っていないし、妖怪だって映ってないぜ。
ああ、つまんねぇの。
時宗の話を信用して損したぜ」
ライバルと見定めた時宗に対して、桜介はちょっと意地悪で否定的だ。
ライバルが活躍したら、自分との差がどんどん開いてしまう。
そんな安っぽい損得勘定が桜介の心の中に巣くっていた。
時宗はそう言うとポケットからスマホを取り出し、ある動画を再生させた。
オカルト部のメンバーたちはその一台のスマホをのぞき込み、この動画には本当に時宗が妖怪バスターの末裔だという証拠があるのだろうかと思いながら、動画に何が映っているかを見ようとしていた。
時宗がみんなに見せている動画の舞台は薄暗いお屋敷の中で、そこに時宗が真剣な顔つきで身構えながら立っていた。
でも、時宗の周りには妖怪らしきものは映っていない。
桜介は今からこの動画で何が起きるのだろうと思いながら、スマホの画面をじっと見つめていた。
「あっ、時宗君が動き出しました!」
ようやく動き出した時宗の姿に期待を込めてカノンが甲高い声を上げた。
「本当だ。
まるで誰かと剣で戦ってるみたい」
愛理がつぶやいた素朴なその感想に桜介が秒で突っ込みを入れた。
「剣で戦ってるみたいに見えても、時宗は剣も持っていないし、妖怪だって映ってないぜ。
ああ、つまんねぇの。
時宗の話を信用して損したぜ」
ライバルと見定めた時宗に対して、桜介はちょっと意地悪で否定的だ。
ライバルが活躍したら、自分との差がどんどん開いてしまう。
そんな安っぽい損得勘定が桜介の心の中に巣くっていた。



