「ちょっと話したいことがある。

部室に入るぞ」



一ノ瀬中学のイケメン転校生の風間時宗はそう言うと、オカルト部の部室に入ってきた。



そんな時宗は背が高く体の線は細い。



そして中学生男子のくせに髪が長く、でもその長い髪が時宗のクールな印象に似合っていた。



勉強もできて、スポーツ万能、おまけにイケメンな風間時宗の欠点は今のところ見当たらない。



そんな時宗に対して桜介は嫉妬混じりのライバル心を持たずにはいられなかった。



(ザ平凡と揶揄されるオレと違って、時宗は本当にきらびやだ。

こんなヤツと比べられたら、世界中の男子中学生が撃沈しちまうに違いない。

ぐぬぬっ、風間時宗。

オレはお前に負けねぇからな)



「話したいことって何かなぁ?」



愛理が時宗のイケメンに臆することなくそう言った。



さすがは一ノ瀬中学のナンバーワン美少女とウワサされるだけのことはある。



桜介はそんなことを思いながら、イケメンに簡単になびくことのない愛理に好感を持っていた。