「おい、愛理。

時宗が倒れている!

もしかして夢妖怪にやられたのかもしれないぞ!」



「そんな……。

時宗君はどんな夢妖怪にも負けないと思っていたのに……」



「急ごう。

二人が心配だ。

走ろうぜ」



桜介がそう言うと愛理はうなずき、二人は一緒に走り出した。



さっきまで時宗を悪く思っていた桜介も時宗が倒れているとなれば心配になってくる。



舞の大切な夢を守るチャンスをくれたのは時宗だ。



そんな時宗を絶対に死なせてはならない。



桜介はそんな思いにかられながら、薄暗い大地を全力で走っていた。