「うん。その指輪がさ……館下先生のネックレスの柄とよく似てたんだ」


知樹の言葉にあたしは館下先生のネックレスを思い出していた。


2匹蛇が絡み合ったデザインで、目のところには石がはめ込まれていた。


「館下先生のネックレスと、あの手についていた指輪が同じか……。それってなにかのヒントになるかもしれないな」


真剣な表情で直弘が言う。


「館下先生がなにか知ってるかもしれないってこと?」


あたしが直弘へそう聞くと、直弘は1つ頷いた。


「もしかしたら、オソロイで買ったものかもしれないだろ」


あの手の人物とオソロイの指輪……。


「でも、まだ確証はどこにもない。ただ似ているってダケだったし、俺の見間違いかもしれない。もし同じ指輪でも、どこにでも売っているものかもしれないし」


知樹が早口で説明した。


「わかってるよ知樹。決めつけちゃダメだよね」


似たようなデザインのアクセサリーはいくらでも存在している。


「それなら、真相を確かめてみるしかないな」


そう言ったのは直弘だった。


「今日の放課後、館下先生に直接話しを聞きに行こう」


直弘はそう言ったのだった。