美奈は誰よりも怖い経験をしているのに、それでも少しでも真実に近づこうとしているみたいだ。


「館下先生から話が聞けたら、ちゃんと美奈にも報告するから」


「嫌! あたしは直接話を聞きに行きたいの!」


直弘が何を言っても無理そうだ。


あたしは諦めてため息を吐きだした。


「気分が悪くなったらすぐに直弘に送って帰ってもらうんだよ?」


そう言うと、美奈はパッと表情を明るくさせた。


「もちろんだよ!」


結局、美奈には強引に押し切られる形になってしまった。