あたしは自分の椅子に腰かける。

まだ、千夏たちは来ていないみたい。

それだけで、少しホッとする。

「あ、おはよ」
瑠奈はくったくない笑顔であたしに言う。

「おはよう」

「ねね、あのウワサ知ってる?」

「ウワサ?」

ため息をつきながら、あたしはカバンから教科書を出す。

最近お弁当箱が大きくなって、カバンはパンパンだ。

それは千夏たちの命令だった。

満足するまで食べた後、彼女たちはそれを目の前でひっくり返す。

それが日課になっていた。

「【444】のウワサ」
瑠奈がフフンと得意気に言う。