答えられないあたしを、渚が代弁する。
「本当なんだよ。ほら、行くよ」

その声にあたしはお弁当を手に、のろのろと立ち上がる。

信じられないような表情の遙香。

「……ごめん」
小さくそう言うと、あたしは歩き出した渚の後をついてゆく。

前をゆく3人の後を歩くあたしは、まるで死刑囚。

これから卒業まで、千夏には逆らえない。

今にも逃げ出したいのに、あたしにはその術がない。


屋上につくと、3人は地面に座る。

「純子も座ったら?」
千夏はあたしを見ようともせずに言う。

「……」

「早くしろよ!」
渚が荒げた声が、あたしの体を動かした。


のろのろと座る。