いや、千夏とだけじゃない。

学校自体が俺には合ってないんだ。

入試テストが奇跡の直感で高得点だったらしく、なぜか『特進クラス』に入れられたのが運のツキ。

そもそも勉強なんて好きじゃないし、入学から半年間で、すでに授業についていけてない。

最近じゃ休みの日でも、中学時代の先輩とこうしてバイクで遊んでいる。

「遅くなったな」

ようやく先輩がコンビニから出て来て言った。

先輩はあんまり頭の良い高校には行ってないけど、乗ってるバイクだけはかっこいい。

「大丈夫っす」
俺はそう答えると、バイクのエンジンをかけた。

兄貴のおさがりの原付。

先輩のと比べるとかなり見劣りする。

バイトでもするしかねぇかな。