テレビカメラがなんとか生徒のインタビューをとろうとするのを、先生たちが必死に阻止している。

校門の端に、兼子先生の姿が見えた。

呆けたようにして、兼子先生だけは立ち尽くしていた。

「先生、なにがあったんです?」
そう尋ねるが、先生はサッと顔をそむけてしまった。

「いいから、帰りなさい」

低い声で静かに言った。

それは怒っているようにも、ショックを受けているようにも見えた。

「どうなってるのよ」

声に振り向くと、千夏と美鈴がいつの間にか立っていた。

美鈴が先生のそばへ行く。