『私は、1年1組の山本純子です』

途端に教室がざわめきだした。

みんなが口々に何か言っている。

「ちょ……静かにしなさい!」

兼子先生が怒鳴った。

驚いた顔をしているところを見ると、先生も知らないんだ。

『みなさん、聞いてください。私は、いじめられていました』

スピーカーから聞こえてくる言葉を、ただただ呆然と聞いているしかできない。

「なによ、これ」

そう口にしたのは、渚。

それも兼子先生の鋭い視線に気圧されて、すぐに口を閉じた。

『やってもいない泥棒の罪を着せられました。それをネタに親友と絶交することも迫られました。毎日毎日、殴られました』

淡々とした口調。


それが逆に、純子の怒りを表しているように聞こえる。