自分を必要としている人なんて、どこにもいなかった。
いないと思ってた。
「お前金ないの?」
「…あったらこんな所いない、です」
まさか君に、助けてもらうなんて思ってもみなかった。
誰も助けてくれないと思ってた。
「…助けて、ください」
「俺が助けてやるよ、お前のこと。ついてこい」
ふらっと現れた学校の狼の、シモベになりました。
「今からコイツ俺のだから、金輪際この女に近づくの禁止。じゃーなたぬきオヤジ」
――
「顔コワイ」
「うっせえ仮面少女」
――
「あぁ…どうせ私なんか…」
「いい加減どうにかしろよそのゴミカス自己肯定感」
――
正反対だけど
どこか似ている私たち。
「お前といるの、悪くない。だから俺から離れんな」
不器用で無愛想な狼は、今日も私を混乱させてくる。
「…っ、こういうのは!好きな人にしか言っちゃいけない、と、思う」
「じゃあ好きなんじゃないの、お前のこと」
さあ、先に素直になるのはどっちでしょう。
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野良狼と野良少女
ケータイ小説 野いちご

作品番号
1681414
最終更新日
2022/12/22
野良狼と野良少女
浅木永遠/著
ジャンル/恋愛(学園)
240ページ 完
PV数/580,764・総文字数/108,018