【羅奈side】


「ごめん、今日もバイト。一葉たちと帰って」


「…わかった」


「…んな寂しそうな顔すんな、行きたくなくなる」





行かなくていいよ、行かないで。


そんなこと言えない。でも寂しい。

そのジレンマで、笑顔で行ってらっしゃい頑張ってねと背中を押してあげられない。




ここ1ヶ月くらい、一ノ瀬くんはよくバイトに行く。



学校がある平日だけでも週に3~4回

ほとんど一緒に帰れなくなってしまった。


土日もバイトバイトで、会えても午前中の2時間くらい。


正直、私が一ノ瀬くん不足だった。





「うげぇ、またバイト?あみぽんのこと放ったらかしにして。サイテー」


「仕方ないよ、バイトだもん」


「叶野さんに愛想つかされても文句言えないな、あいつ」