【羅奈side】




「…ねえ、一ノ瀬くんがやってくれないと私までいつまでも帰れないんだけど」


「んー、まあどんまい」


「…怒るよ?」




放課後の空っぽになった教室に2人。


何故か私は机を向かい合わせて軽々とペン回しをする一ノ瀬くんと一緒にいる。





机には白紙同然のプリント。一ノ瀬くんの視線の先は窓の外の夕日。


太陽の光があたってきらきら光って見える一ノ瀬くんの金髪が綺麗で…

ってそうじゃなくて。





「まあお前俺に貸しあるし」


「…それ言われたら文句言えなくなるからやめて」


「はは、ザマアミロ」





時は1時間前に遡る。