かなさんのレビュー一覧

★★★★★
2015/02/06 23:06
くるおしいほど

目隠しをして、彼だと思い込んで、違う男に抱かれる。そうでないと、自分を保っていられない。狂っている関係が、たどり着く先はーー。 あーもう!男も女も可愛かった…!!この方の書かれる作品は、人間のどろりっとした悪い部分が描かれいるのに愛おしくて仕方がないし、じたばたするし、とにかくたまらないのです。 始まりが狂ってたっていいんだよ。過去には引きずられるものなんだよ。男が泣いてしまったっていいんだよ。女が男を包む瞬間もあっていいんだよ。っていうか、男と女は知らず知らずのうちに支えて支えられての関係になってるんだね。真っ直ぐで少年のような部分に救われたり、触れ合うことで生きながらえたりするんだよねって、何度もうなずく。 やっぱり大好きな作者さんだー!この方の作品へのレビューはいつもまとまりがなくなってしまいます。華と青司(それから何気に泣かされた校長)に愛を込めて!!

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★★★★★
2015/02/06 22:11
息をはいて、生きていく

死んだ父親も、片親の家庭も、低脳な同級生も、空想も大きらい。そんな主人公がふと立ち寄った屋上で出会ったのは、きれいで不思議な男の子でーー。 人と触れ合うあたたかさと、現実の苦しさに胸をしぼられつつ読みました。 現実が辛かったら、空想に逃げて。ふいに現実に戻ったとき、より苦しくなって。また空想に入り込む。そんな負のループを繰り返しながら、わたしたちは生きていくのだと思います。 空想なんて馬鹿みたいと他人を卑下することで自分を守ったり、関心がないふりを続けて孤独を避けたり。生きるって、そういうことが必要で。 けれど、このお話を読み終えて、前向きな空想もあるんだと気付かされました。休憩したっていいんだ、と背中を優しくたたかれたようで、ほっと息を吐くことができました。 たまには星空を見上げて、空想を広げて。それでいいんだよって、自分にも、大切な誰かにも伝えたい。

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★★★★★
2015/02/01 13:59
一途な想い

ずーっと好きで、苦しいこともあったけど、やっと一途な想いが通じる。そのパターンに当てはまらないのに、結末を祝福できるのは、作者さんが登場人物それぞれの気持ちをすごく丁寧に、なおかつわかりやすく結びつけてくれているからだと思います。 このお話には、悪役がいなかった。けれど決して、善人ばかりだったわけじゃない。みんな迷って、間違えて、ひどいことを言ってしまったり、つらい態度をとってしまったり。 それでもみんな、逃げないで省みて、もう一度自分を見つめ直してる。相手を大切に思っている。主人公の真っ直ぐさにもブレがなく、だからこそ、誰かに懸命にぶつかることの大切さを、伝えてくれるのだと思います。 もちろん、たくさんのキュン!も詰まっていて、思わずにんまり。ピンクカラーもブルーカラーも味わうことができ、なおかつ素敵なメッセージを残してくれるお話を、ありがとうございました!!

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2015/01/18 22:07
真っ暗闇に、差した光

バスケが大好きな夏帆は、レギュラーに選ばれたことがキッカケで、部員たちから酷い仕打ちを受けるようになってしまう。傷つき、声も失い、もう二度と光なんて差さないと、そう思っていたーー。 この方の書かれる青春は、ただふわふわ、キラキラしているだけじゃない。甘酸っぱいだけじゃない。 本当に痛くて、思わず目をつむりたくなる部分も、ちゃんと描き出していて。登場人物たちが、必死に、精一杯、もがきながら生きていて。 だからこそ、まるで実話であるかのように、身にしみて。主人公を痛めつけるヤツらが許せなかったり、主人公の絶望に泣いたり。また、救いの光に、主人公の頑張りに、じわりと泣けるのでしょう。 夏帆ちゃんの声は、しっかりわたしの元にも届きました。翔矢くんという真っ直ぐな光は、わたしの心も照らしてくれました。 素敵な物語を、ありがとうございました。

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2015/01/18 21:42
まもって、まもられて

守られるより守りたい。正義感の強い女の子、紫乃は、ある日突然、校内人気ナンバーワンかつ女嫌いで有名な、葵衣と同居することになってしまいーー。 この方の前作で、ピンクレーベルっていいなぁ!と思わされたのですが、今回またさらに、ピンク最強じゃないか!と思わされました。 もう!もう!ちょっと!!と、誰かに伝えたくなる。葵衣のカッコ可愛さ。何度、ずばっ!と胸を突かれたことか。そして登場キャラがみんなそれぞれ素敵。好き。 お話構成はすごく練られているのに、こんなにも柔らかく素直に読むことができ、キュンと胸が鳴る(というか刺さる)感覚を読者に与えてくれる。作者さんならではの才能だよなぁ、とひしひし感じます。 わたしも手をマイクにして、テンション高く言いたいです。このお話、大好き!!

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2015/01/11 22:24
キラキラしている

辛い恋をして、もう笑えないかと思った。そんなとき、笑顔をくれた先輩。彼の役に立ちたくて、マネージャーになると決めた。"部内恋愛禁止"の、サッカー部のマネージャーに。 キラキラしていて、まさに、青空ラインの題名にぴったりなお話! ヒーローとヒロインだけじゃない。部員や家族、それぞれの想いが大切に、丁寧に書かれていて、この作者さんの色だよなぁと深くうなずいていました。サッカー描写や、チーム内での会話も見事。 青春には、恋も友達も仲間も勉強も部活も、欠かせなくって。その比率、バランスは大事でも、ゼロにすることはできない。生まれてしまった想いは、かくせない。 どこまでもまっすぐな、頑張り屋の杏ちゃんと、やさしくて一途な優くんに、青春っていいなぁ!と改めて思わされました。

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2015/01/08 07:38
ニンマリが止まらない

自分の容姿に自信がない美胡。色々と諦めていた。自分なんかに、奇跡は起こるはずないって。なのに、人生で唯一告白してくれた彼と、再会してーー この方の書かれる男の人って、なんでこんなに誠実でまっすぐで優しい魅力に溢れているんだろう…!! 村瀬くんの一挙一動にニンマリしながら、美胡ちゃんを応援しながら、友情に乾杯!と思いながら、あっという間に読んでいました。 最初と、最後の変化。美胡ちゃんの変身第一歩を本当に目で見たわけじゃないのに、美胡ちゃんはたしかに、かわいくなったなと思った。気持ちだったり、行動だったりが、女の子のものになってた。 恋っていいなぁと感じ、こんな男性いいなぁとニンマリが止まらない、素敵な短編をありがとうございました!

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2015/01/05 00:12
"あきらめない"

学年一地味な奈央に告白してきたのは、目立って人気の彼。けれどそれは罰ゲームで、知ってしまった奈央はーー。 少しだけ、と思っていたのに、好みの文章の連続とどうなるの!?な展開に、結局夜更かしで一気読み。この作者さんでの夜更かし、何度目になるでしょうか。 復讐。黒い喜び。たしかにそれらは、奈央ちゃんの中にあったけれど。でもこの物語は総じて、透明で、澄んだ気持ちに満ちていたような気がします。 気持ちを投げて、ぶつけて、行き先を間違えて、方法を間違えて、最後はちゃんと、相手に、渡すことができた。 何度もウルっときましたが、朝子ちゃんのシーンでは、思わず泣いてしまいました。登場人物、みんな好き。 作者さんがくれた、あきらめない、のメッセージ。澄んだ物語の中で、しっかり受け取ることができて、幸せです。

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2015/01/02 01:09
女の子はフクザツ

いつもは素直になれないけれど、手紙なら。ううん、手紙にも気持ちをストレートに書くのは恥ずかしいから、ほんの少し、かくして。でも彼なら、きっとわかってくれるよね? いつも書かれる青春系ではなく、甘い甘い、ピンクのお話… …だったけれど、この作者さんが書いたお話だ!と読んでいてすぐわかりました。 文章の感じもそうだけれど、きっと、女の子のリアルで微妙な心情を、抜き出しているから。 隠したようで隠していない気持ちを、わかってほしい。わかってくれないなんて、愛が足りない。だいっきらい。 そうやって、ひとりグルグルしちゃうけど。 そんな時、ギュッと受け入れて、ちょこっと強引なスパイスを足してくれる彼がいれば、それだけで女の子は素直になれるし、二人の時間は甘くなる。 可愛いお話と、素敵な企画をありがとうございました!!

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2015/01/01 23:03
すごく好きなお話だなぁ

受験生のカップル。今後遠距離になることはわかってて、未来を考えると、続かないんじゃって不安になる。だって、周りの友達だって、別れちゃったし。それに、彼より、私の方が、気持ちが強いから。 …もう、とても好き!!短編でじわっと泣けてしまうなんて、思いませんでした。 綺麗で丁寧な文章。淡々としているようで、しすぎていなくて、その加減が絶妙で、読みながらお話の世界に浸っていました。 樹くん、本当に、芯からかっこいい。お話を読んでいて、うわぁ、この男の子好きだなぁ!と素で思えたのは久しぶり。 うん、でも、高橋ちゃんと、樹くん。このふたりだから、いいなぁ。このふたりは、なるべくしてなったカップルだよなぁ。 文章の書き方も、選び方も、とっても好みドンピシャ。好きな作家さんが増えたことも、また嬉しい。 きっと、すぐに読み返すと思う。そんな、素敵な彼と彼女。是非ご一読を。

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2015/01/01 18:04
マイペース、ふたりのペース

付き合って一ヶ月。彼女のことが大好きで、とても大事。このままでも、十分幸せ。 でも、みんなが言う。 「もう一ヶ月なのに、キスもしてねえの?」 そうだよな。そろそろ、一歩前に進まなければ。 甘いけれど、それよりもあったかさを感じたお話でした。 彼女に好きを伝えていて、きっと大事にしてることも伝わっていて。でもそれ以上に、好きすぎて、大事にしすぎてる男の子。 読んでいて、思わずニコニコ顔になる。 このふたり。きっと、周りから見ても、微笑ましくて可愛くて、応援したいカップルなんだろうなぁ。 一ヶ月経つから。もうこれだけ経つから、こうしなきゃ。そんなの、いらない。 基準なんてない。 ふたりの、ふたりだけのペースで、進んでいけたら。 初々しくて、可愛いお話をありがとうございました。

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2015/01/01 14:03
カップルは正義

年上祐くんと、年下さゆちゃん。四年のお付き合い歴で、同棲していて。 もうできている。ふたりのリズム。 帰ったらお風呂に行けって言われて、お風呂のあとは、ぎゅーっとして。 たまに甘えた。乱暴な口調。やきもち。可愛い。可愛い。ぜんぶのさゆが、好きだよ。 すーっごくかわいいお話!心がむぎゅむぎゅして、さゆちゃんをぎゅーっとしたくなったり。さゆちゃんから見た祐ちゃんはどんななんだろう?とも思ったり。 作者さまのお話に癒され、作者さまのあとがきにうなずく。 "カップルは正義!!" ビックリマークを語尾につけて言いたいくらい、可愛いほっこり話を、ありがとうございました。

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2014/12/19 07:32
まちがいの、重なり

次告白してきた人と付き合う。かたや、そんな罰ゲーム。杏奈に告白しろ。かたや、そんな罰ゲーム。間違いの重なりから、生まれたウチら。なあでも、ウチの気持ちは、間違いちゃうねん。 杏奈。達郎。本当にそこにいるかのように、生き生きしていました。現実のような会話に、描写。この作者さんのお話の中で、一番好きかもしれない。サブキャラ含めてみんな、なんてホンモノで、なんてあったかいんだろう。 現在と過去のエピソードの混ぜ方も、秀逸。相手の気持ちが丸見えなわけじゃないから、主人公の切なさに、共感。22ページのシーンの書き出し方、最後の一文がすごく好き。 筆力と勢いを兼ね備えた短編、最後の追いかけっこ前後から、じんわり泣けてしまった。二人と一緒に走って、泣いて、ときめいて、幸せに浸っていました。 まだあたたかさが残っています。素敵なお話を、ありがとうございました。

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2014/12/10 07:38
人生には、つきまとう

結婚して、旦那は冷たくて、自分にお金も時間もかけられなくなった。 友達は結婚していくのに、未だ独身で、仕事が楽しくて仕方ないなんて嘘をついた。 実花子さんだからこそ書ける、共感しすぎるリアル。読み出すと指を止められないこの現象は、何度目でしょうか。日南子の気持ちも、いずみの気持ちも、痛いほどわかった。日南子サイドのときはいずみがうらやましくて、いずみサイドのときは…また然り。 どうしてこうじゃないの。こうならないの。わたしよりあの子の方が。わたしももし、こっちを選んでたら。 人生には、永遠につきまとう疑問たち。けれど、今立ってる場所にも、かけがえのない歴史と、暖かさがあるんですよね。 もしも、の空想の幸せを重ねるより、じっくり重ねていきたいものが、わたしたちには、きっとある。

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2014/12/07 05:30
とてもとてもとても

天然すぎる可愛い女子と、その子をずっと好きで、振り回される素敵男子。幼なじみの、じれ甘いお話。 読んで一言。凪くん、パーフェクト!! 手をつけてしまったが最後。あれよあれよと番外編まで完読してしまいました。 気を抜くと、凪くんにキュンと突かれる。ド天然っぷりにクスリとしながら、可愛すぎてこりゃ仕方ないとなってしまう、心愛ちゃん。ナイスキャラの栗原くんに、舞香ちゃん。みんな大好き。 やわらかく、心に馴染むような文章。作者さんが読み手にわかりやすいよう工夫されているのが、すごく伝わる。本当にあたたかく、心地よい文章でした。一気読みしてしまったのはきっと、キャラも文章も、とても好きだったから。 初めての気持ち。散々振り回して、振り回されて、でも素直に、一生懸命、気づいた"好き"に向き合えば。 そこには甘い甘い、幸せな時間が待っているのです。

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2014/11/17 20:33
ちっぽけな、希望のひかり

病気の話は、決して選んで読む方ではありません。読み進めて辛くなるのが、わかっているから。 このお話も、読んでいて、とても辛かった。希望の光が、とてもとても小さいのが、辛かった。それでも読み進める手が止まらなかったのは、莉乃ちゃんが、とても純粋だったからだと思います。 純粋で、真っ直ぐで、人のために泣ける女の子。まぶしい太陽というより、きっと陽だまり。 その想いを受けた、シローくん。たとえほんの小さな希望であったとしても、手放さないと決めた。その瞬間から、二人のことを必死で応援して、二人の時間が、永遠に続きますようにと願っていました。 とても悲しいけれど、優しさが溢れていて、読み終わったあとも、優しさが止まないお話。 純愛って、きっとこういうことなんだなぁと思いました。心が洗われる、素敵なお話をありがとうございました。

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2014/11/13 22:22
とても心地よく小気味よい

とあるカフェで働いている、一級品男前、長谷川くん。オネエは職場だけのキャラ。お客さんにもウケは上々。それなのに、かつて気になっていた想い人が、偶然にもカフェのお客さんとしてやってきたから…さあ大変! 前作の長編からこの方のお話にハマってしまったのですが、今作もまた!もう!いい具合に私をガッチリとらえて放さず、いい具合のまま完結まで導いてくださいました。 お話の設定自体が面白く、テンポよく進んでいくストーリーには小気味良さを感じるほど。しかも、小ネタだったり、会話だったりも、もう絶妙なんです。一個一個挙げたいくらい、クスリとできて、すごく素敵。作者さんのセンスが好き。 最後、長谷川くんが動くシーンは、わたしも一緒に走っているような気持ちでした。愛しくて笑えて楽しくて、頑張れ!って、応援してしまう。素敵なお話をありがとうございました!!

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2014/10/27 18:42
愛しきあまいたまごやき

側にいるのが当たり前で、大好きなのが当たり前な、幼なじみ。そんな彼が、芸能人になりました。 前作長編からこの作者さんの大ファンになった私ですが、今作で、もう間違いなかったと顔をビシャビシャにして頷きました。 読んでいると、その人が実際にいて、こうちゃんが、季沙が、みんながいて、物理的な温かさと、心の温かさを、本当に感じるようで。私がこの作者さんの大ファンなのは、そういう感覚になれるからなんだと思います。この作者さんのお話で泣くの、すごく好きだ。泣けば泣くほど心があったかくなって、みんなのことをより一層好きになれるから、好きだ。何度も戻ったり、繰り返して読んだ。 ラブレターのようになってしまいましたが、こうちゃんと季沙の関係には悶えます。こんなにむぎゅむぎゅさせられるカップル、初めてです。 私のだいっっすきなお話!叫んでおくので、皆様も是非、この感覚に浸って下さい。

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2014/10/24 08:18
心が、芯からふるえること

感動した、で済む感情じゃなかった。感情をまとめられず、腑抜けになったようで、レビューを書けなかった。そういう体験をさせてくれた、初めてのお話です。 小学生の頃から、大人になるまで。不安定な初恋と、抗えない不変の中で、紡がれる軌跡を描いた小説…だなんて、そんな簡単に片付けたくない。あらすじは書けない。言い表すことができない。 あおの想いが突き刺さって、痛かった。けれどいつまでも見ていたかった。心が芯から震えて、叫んでいるようで、私の心にも、炎が生まれていた。あおが舞った夜の、祭りの炎。あおとヒカルが互いに向ける、目の奥の炎。幻想的なのにリアル。求めすぎることの乱暴さと気高さと美しさから、まだ抜け出せない。 何度泣いただろう。流したのは、何時もとは違う種類の涙で。止まらなかった。そしてやっぱり、数日経った今でも上手くレビューが書けなかった。 このお話は、私の宝物です。

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★★★★★
2014/10/24 07:54
ネタバレ
優しさがあふれている

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