暗いロッカーの中、声の方向をジッと見詰めていた。
柊也先輩は、私に飽きた訳でも、心移りした訳でもないらしい。
理由は“私の愛が重い”から。
毎日ラブラブでいたい私と、適度な距離を求める彼。
この差を埋める必要があるね…
問題がはっきりしたところで、柊也先輩と友人の声が遠ざかる。
ドアが開く音がして、
「お疲れしたー!」
1年生部員の元気な挨拶が聞こえた。
30分後、ようやく最後の部員が帰り、部室内は静かになった。
ロッカーに入り2時間半。
同姿勢でいるのも限界だ。
すぐに出ようとして、扉が開かない事に気付く。
ロッカーは内側から開けられない造り。
当たり前か。
中に人が入ると想定されていないから。
焦りはしなかった。
普通に開かないのなら、壊して開ければいい。


