黒愛−kuroai−

 


ザワザワと煩い話し声の中に、柊也先輩の声を見付けた。


着替えをしながら、友人と話しをしている。




「柊也、今日も俺ん家来んの?」



「あー、今日はいいや。
疲れたし、真っすぐ帰る」




“友達の家に寄るから”

その理由で、一緒に帰る事を拒否された私。

アレは嘘だった。




どうして嘘をつくのか…

聞けない私の代わりに、友人が聞いてくれた。




「彼女に嘘ついて、悪い彼氏だなー。

もう飽きたのか?次の女に移ろうとしてる?」




「違うよ、勝手に悪者にすんな。

愛美は可愛いし、好きだけどさー…

思ったより重い。たまには一人になりたい」




「うーわ、贅沢な悩み。

今ので、モテない男全員敵に回したな。

愛が重いとか、言ってみてー」




「そんなこと言うなよ…

昼も帰りも休日も一緒。
しんどいと思わないか?

元カノが他校だったから、そう思うのかなー…

同じ学校ってマジ疲れる。
適度な距離が欲しい」