黒愛−kuroai−

 


母親はフフッと笑い、私の第一印象を語る。



「可愛い子ねー。
黒髪が長くて、艶々して綺麗………あら?

あなた…どこかで見たような…
前に会ったことないかしら?」




顔には出さないが、内心ギクリとしていた。


ポスティングに来たのは
1ヶ月前。

チラリとしか顔を見られていないし、声も聞かせていない。


記憶に残らないと高を括っていたが…

自慢の黒髪が印象を残してしまったみたい。




母親は少し考え、パチンと手を叩く。



「そうそう、思い出した!

夏休み前に、ファンレター持って来た女の子じゃない?

早朝に来て、恥ずかしそうに俯いて。

ほら、柊也に白いシンプルな封筒渡したでしょう?

あんた、調子悪いと言って、その日から3日間ズル休みしたのよね」




頭の中に警笛が鳴り響く。

ヤバイ…

清宮鈴奈の“イケナイ写真”を贈ったのが、私だとバレそう…


それがバレたら、何もかも台なしだ。

写真の偽造も疑われるかも知れない。