黒愛−kuroai−

 


髪を整えベットに座ると、ノックの音がする。



「愛美、入るよ?」


「はーい、どうぞ」




自分の部屋をノックする彼は変。

それに「どうぞ」と答える私も変。


母親が深読みする人なら、何をしていたのかバレている事だろう。




ドアが開けられた。

先輩の後ろには、母親の姿。

急いで立ち上がり、ペコリとお辞儀をした。




「お邪魔しています!
黒田愛美です!
柊也先輩の……えっと…」



「俺の彼女。
たまに家に来るから、顔覚えといて」




ぶっきらぼうな紹介の仕方。

母親の前だと、そうなる年頃なんだね。




出掛け先から帰ったばかりの母親は、

綺麗にメイクをし、趣味の良いタイトな紺色ワンピースを着ていた。



元カノの写真をポスティングに来た時、彼女に会っているが、

ジョギングウェア姿のあの日と、かなり印象が違った。