黒愛−kuroai−

 


それでも笑顔を作り、

「そうなんですか!」
「すごいですね!」

と相槌を打つのは、彼が好きだから。



一頻りテニスを語り、満足した先輩は、私を抱き寄せた。




「愛美って、超可愛い。

俺のテニス論、長くて熱いから、うざがられるんだ。

でも愛美は違うんだね。


“もう分かったから、テニス以外の話しにして”って、

鈴奈に良く言われ……あ…悪い…」




本当に悪い。

どうしてこんな時に、元カノの名前を口にするのだろう。



さっきの思い出グッズといい、まだ心残りを感じる。



私のやり方が甘かったのか…


やっぱり由梨を代用するより、直接鈴奈に手を掛けた方が良かったかも。



一人反省し、次に機会があれば、徹底的に汚してあげようと考えていた。