黒愛−kuroai−

 


全てを元通りに仕舞い、少ししてから、柊也先輩が戻ってきた。



ベットに座り、本棚にあった適当なテニス雑誌を見ている私。

逃げ帰らず部屋にいる事に、彼はホッとした表情を見せた。



隣に座り、私の手元を見て彼が言う。




「ラファエル・ナダル知ってるの?

この人のプレーは凄いよな。

真面目で実直なプレーをするのに、パワーも半端ない。

この人、俺の目標だよ。
ナダルはさ、……―――――」




テニス雑誌の適当なページを開いていただけなのに、興味津々に読んでいたと勘違いされた。



柊也先輩は雑誌を指差し、熱くテニス論を語り出す。



はっきり言って、先輩以外のテニスプレーヤーはどうでもいい。

世界ランキング1位でも、王者と呼ばれていても、1mmの興味もない。