四郎くんが杖を振ると、帯は広がり、たちまち生徒たちを覆い尽くす。
その光景に見とれてしまいそうになり、我に返った。
消えて、と必死に願う。
すると、帯の中で苦しそうにしていた生徒たちから、次々に黒い羽根の妖気が抜けていった。
「……消滅せよ」
四郎くんが言うと、光の帯がはじける。
それは金色のシャワーのように、あたしたちの上に降り注いだ。
「きれい……」
金色の中に、玉虫色に光る粒が混じる。
あれはきっと、あたしの力。
四郎くんを見上げると、彼はあたしを見下ろし、優しげに微笑んでくれた。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…