「……ごめん。余計なことを言ったね」 先生は、あたしの背中をそっと押す。 「待ってるみたいだよ」 そう言われて顔を上げると、四郎くんが早く来いと、怒ったような顔で手招きしていた。 あたしは、慌ててそちらに駆け出す。 遠くに見える山の向こうに、夕日が沈んでいく。 世界が闇に包まれていく。 それが心細くて、あたしは四郎くんのそでを、ぎゅっとにぎった。