別れの道を先に進んでいた草太くんは、なかなか歩き出そうとしない私に気づいた。 「どうした? 帰らないの?」 分かれ道のため離れてしまった手が、寂しさを覚える。 相手にそれが伝わらないように努めた。 「何でもないよ、また日曜日にね!」 鞄を持ってない左手で草太くんに手を振って前を歩き出した。 なるべく周りの音を気にせず、家を目指した。