「なんか不審な物でもあったの?」 私は恐る恐る聞いてみた。 「これだよ、ほら見てこれ」 不審なものがあると言う洋くん。 携帯電話で不審なものなんて見たこと無かったから、内心怖かった。 でも画面に映し出されていたのは、普通のメールだった。 「これのどこが不審なの?」 私は何もわからず訊いた。 「淳って…男だろ! おまえ、俺以外の男とメールしてんだろ!」 この瞬間…初めて洋くんに手を上げられた。 左頬を叩かれ、そこがじんじんと痛んだ。