~千沙side~

会場の外に出ると、あたしは思いっきり空気を吸い込んだ。


会場内の男たちの熱気に包まれていると、なんだか呼吸も苦しくなってくる。


「千沙、大丈夫?」


恋羽が心配して、あたしを見る。


「うん、大丈夫。毎回、男たちの熱気はすごいね」


「そうそう、大志君の言葉に全員が一喜一憂している様子なんて、すごいよね」


そう言って目を輝かせる恋羽を、アツシがハラハラした様子で見つめる。


恋羽が大志の事を口に出すのが不安なんだろう。