あたしの心は、確実に魅かれていた。



「ほら」



大智さんを見れば、汲んできた水を差しだしてくれた。



「お前が掛けてやれよ。知らない俺が…奈緒を奪おうとしてる俺が、掛けたら詠二だって嫌がんだろ?」



笑いながら言う大智さんに、心がズキリと痛んだ。



大智さんは、どういう思いで言ってるんだろうな…、と。



「大智さん…あたし…」



あることを伝えようとした時。



「奈緒ねーねー!!」
「奈緒ちゃん!?」



声する方を見れば、詠二のお姉さんと息子の陸斗くんがいた。