それでも詠二に会いたくて中古で車を買って通い詰めた。



それが段々と一週間に一度になり、2週間に一度、一ヶ月に一度、と行く回数も減って行った。



「奈緒、俺水汲んで行くから先行ってろ」



「うん、分かった」



そう言って大智さんはあたしから離れた。



あたしは大智さんを見送ってから、詠二のお墓へと向かった。



「詠二…久しぶりだね。寂しかった?ごめんね」



あたしはお墓の前で、しゃがんで話し掛けた。



「ねぇ、詠二。あたし幸せになってもいいのかな…?詠二のこと今でも大好きだよ?でも、もう詠二には会えない…。詠二のお嫁さんには、もうなれないんだよ…。ねぇ、詠二教えて…?」



この時間だ。



周りには、誰もいない。



だからお墓に向かって喋ってても変には思われない。



それにしても大智さん、来ないなぁ。



あたしは立ち上がり大智さんを探した。