よし、と空を見上げると、まだ雨は少しポツポツと降っている。 近くの机に置いてあった荷物をかき集めるとリュックを背負い、傘を手にして階段を一気に駆け下りる。 ロッカーにはまだ紫藤くんの姿。 ギリギリ追いついた。 「ねぇ、紫藤くん! 傘、入れてあげよっか──?」 私の梅雨明けは、近そうだ。 fin.