ひと際明るい服に、それに負けないくらいの容姿、か。

確か俺のふたつくらい歳下。
だけど、あんまり昔のことって憶えてない。

だから余計に、こう、今突然目の前に現れると、確かに“幼馴染のアキラ”ではあるんだろうけど……。


「おいしー。コウちゃん天才ね」


全くの別の女性みたいだ。


「はは。言い過ぎだよ。でもありがとう」
「ところで、さっきの『ミナト』って誰?」
「僕たちの兄弟。美佳と同じ18の」


ピラフにスプーンを入れて、もくもくと口にしながら3人の話を聞き流す。


「へぇ! ミナト! 会いたい!」
「でも、まだすぐには帰ってこないかな」
「夜には戻るかしら?」
「まぁ、夜には」


アニキとアキラの話の流れで、嫌な予感がする。


アキラのこの性格だと、その分じゃ、夜までいるんだろうな。


「わたし、今日フリ―なの! ミナトに会って行ってもいい? コウちゃん」


――――的中。


「……別に、おれは構わない、けど……」


アニキの含んだような言い方は、たぶん俺に向けて。