「で、それ、何時まで?」
「へっ?」
「まさか、丸一日ってことないだろ」
「えっ、あっ、た、確か14時くらいまでだったような……」
諦めてたから、そういうふうに言われるとものすごく期待しちゃうんですけど……。
ドキドキとしながら夜風に吹かれる聖二を見上げる。
少し空を見て考えるようにしたあと、聖二が言った。
「……じゃ、そのあとどっか行くか」
……う、うそ……これ、現実? 夢じゃない??
ぽかんと口を開けたまま呆けていると、ピシッと長い指でおでこを弾かれる。
「……いっ……」
「なんだよ。いやならいーけど」
「いっ行く!!」
こんなにがっつくなんて、絶対笑われる。
そう思ったけど、瞳に映る聖二はそういう顔じゃなくて。
穏やかに微笑むその姿に、どうしようもなく胸が締めつけられた。