アキラの身体で視界が遮られていてイマイチよくわからない。
すると、真剣な横顔が、ふっとこっちに気付くと、突然その表情が変わる。

俺を見つけると、ものすごくうれしそうな笑顔を向けてきた。


「あっ聖二!おかえりっ……あぁ!」


ガラガラガラ!と派手に音を上げたのを受けて、俺は片眼を細めて眉を寄せた。


「はい、ミカの負けー」
「集中力欠いたね、美佳」
「これならオレ何回やっても勝てそう。美佳いれば」


アキラを避けるようにして見ると、テーブルの上に散乱した……ジェンガ?


「ああっもう。私この作業何回目?!」


美佳が嘆きながら崩れたそれを建て直す。
さっきは見えなかったが、それを囲うようにしているのが、孝四郎、三那斗……そしてチハルだ。


「……トランプの次はコレかよ。まったく……」


よくもまぁ、こう毎日毎日ガキみたいに夢中になれんな。


「はー」と溜め息をついて眺めてると、アニキがキッチンから笑って言った。


「毎日賑やかだろ。ご飯準備するか?」
「ああ、頼む……っつーか、ホント、毎日飽きねぇな」


ダイニングテーブルの椅子に座り、4人をあきれ顔で眺める。


「アキラー!たすけて」
「もうっ。勉強してたときの集中力はどこいったのよ!」


……は?
なんだ、これ……。